無料BIツール

【比較表つき】無料で使えるBIツール4種の「できること」「できないこと」を徹底的に調べてみた。

1.無料で使えるBIツールってあるの?

企業ではさまざまなシステムが活用されています。生産管理システム、会計システム、販売管理システム、在庫管理システム、人事システム、ERP統合システム、CRM(顧客管理)システム、SFA(営業支援)システム、MA(マーケティング・オートメーション)……。それぞれのシステムが、毎日多くのデータを追加していきます。すべて合わせると、数TB(テラバイト)を超えるデータを持つ企業もあると言われます。

BIとは、「Business Inteligence(ビジネス・インテリジェンス)」の略で、蓄積している膨大なデータを、収集・分析・加工し、企業戦略、経営戦略のための意志決定を支援することを指します。しかも、エンジニアやデータ・アナリストといった専門家でなくとも、データを加工し、分析を進めることができるのが、BIツールです。

数字の裏付けを持った、データドリブンなビジネスが求められる今、興味をお持ちの方も多いでしょう。そんなBIツールですが、無料で使えるものも登場しています。主には下記の4種類です。

  • Pentaho(ペンタホ)
  • Qlick Sense(クリックセンス)
  • Microsoft Power BI
  • Google Data Studio

それぞれどんなことができて、どんなことができないのか? 今回は無料BIツールを掘り下げて比較してみました。

2.オープンソースで高い自由度と拡張性を持つ
「Pentaho(ペンタホ)」

http://www.pentaho.com/

プロフェッショナル向けに作られたオープンソースBIの「ペンタホ」。商用ツールより開発人数が多くなるので、先端技術が迅速に取り入れられ、データ統合、データマイニング、レポーティングなど、基本的な機能は充実しています。オープンソースながらベンダーのサポートが受けられます(無料版はコミュニティ形式)が、英語オンリーです。

○ペンタホで「できること」

  • インタラクティブでビジュアル化された対話型の分析手法
  • 多様なレポーティングが可能(RDB、OLAP、WEBベースレポーティング)
  • 先進的な分析手法のライブラリ (ジオマッピング、ヒートマップ、分布図、バブルチャートなど)
  • 専門的なビジュアライズプラグインでビジュアル化したレポート作成が可能

×ペンタホで「できないこと」

  • 無料版はインストーラーがなく、ツールを個々にサーバーとクライアントにインストールする必要がある
  • 無料版はダッシュボードのカスタマイズが不自由
  • 無料版は、一般的なMySQLではなく、HSQLDBを使用
  • 基本的にプログラミングの知識がないと利用が難しい

3.無料版とは思えない多機能な「Qlick Sense(クリックセンス)」

http://www.qlik.com/ja-jp

「クリックセンス」は、ドラッグ&ドロップによる作成機能を使用して、スマートな対話型のデータ・ビジュアライゼーションを作成できる無料BIツールです。独自の連想データのインデックス作成エンジンで取り込んだデータを他のデータに関連づけることができ、隠れた関連性を発見できます。

○クリックセンスで「できること」

  • ウィザードでのデータインポートが可能
  • 権限設定やデータ定義などはサーバーですべて一元管理するのでセキュリティ的に安心
  • ビジュアル性の高いレポーティング、ダッシュボード作成
  • インポート可能ファイルの種類が多数
  • Qlik DataMarket(有償)では既成データを外部ソースから入手可能

×クリックセンスで「できないこと」

  • 対応OSは64bit版のWindowsのみで32bit版は非対応
  • ピボットテーブル
  • ストーリーボードでプレゼン資料、アウトプットは不可
  • マクロの利用不可

<利用可能DB・ファイル>
スプレッドシート、Web ページ、区切りファイル、Excelファイル、HTMLファイル、KMLファイル、固定長レコードファイル、XML、QlickView、Apache Hive、Cloudera Impala、IBM DB2、Microsoft SQL Server、MySQL Enterprise、Oracle、PostgreSQL、Sybase ASE、Teradata、ODBC、OLE DB、 REST 準拠データソースなど

4.Officeソフトの感覚でデータ分析できる
「Microsoft Power BI」

https://powerbi.microsoft.com/ja-jp/

マイクロソフトが開発したBIツール。使い慣れたExcelのような操作感で簡単にデータ分析をし、PowerPointのようにレポート作成でき、ブラウザやスマートフォンでの閲覧もできます。

○Power BIで「できること」

  • プログラミングをせずにダッシュボードやレポートを作成可能
  • モバイルやWebで閲覧可能。アプリも用意されている
  • ビジュアル性の高いレポーティング、ダッシュボード作成
  • GoogleアナリティクスやFacebook、SalesforceなどのSaaSにも対応
  • データソースからの定期更新が可能(ただし無料版は1日ごと)

×Power BIで「できないこと」

  • 無料では容量が1GB/ユーザーと少ない
  • 無料版ではオンプレミス上にあるデータベースのデータを取り扱うことができない
  • 無料版ではアクセス制御ができない

<利用可能DB・ファイル>
Web ページ内の Table タグや URLアクセスが可能なファイル(Excel や CSV、XML、JSON、Text など)、Hadoopファイル(HDFS)、SQL Server、Oracle、DB2、MySQL、PostgreSQL、ODBC、Teradata、Sybase、Access、MicrosoftAzure 上の各種サービス(AzureSQL Database、AzureSQL Data Warehouse、Azure HDInsight、BLOB/テーブル ストレージ、Marketplace)、Active Directory、Salesforce、GitHub、SweetIQ、Google Analytics、Twillio、QuickBooks、Facebook、Zendesk、OData、Exchange、SharePoint リスト、Dynamic CRM など

5.カンタン操作でセンスの良いレポートが作成できる
「Google Data Studio」

https://datastudio.google.com/#/org//navigation/reporting

Googleが、様々なデータを1つのダッシュボードで可視化し、分析できる無料BIツール「Google Data Studio」を公開。以前は有償(月100万円など)だった高額ツール『Analytics 360 Suite』のスピンオフです。簡単操作でビジュアル性の高いレポート作成が可能。Google AnalyticsやAdWordsとの連携もスムーズです。

○できること

  • ノンプログラミングでデータ取得可能
  • ドラッグ&ドロップでレポート、ダッシュボード作成可能
  • Googleドライブで共有可能

×できないこと

  • レポートの上限が1ユーザー5個(★2017年2月上限が撤廃されました。)
  • 印刷機能がなく、Web閲覧のみ
  • 異なるソースからのデータの合算描画と計算機能はなし
  • アドホックな分析には不向き

<利用可能DB・ファイル>
Google AdWords、アトリビューション 360、BigQuery、Cloud SQL、Google アナリティクス、Google スプレッドシート、MySQL、YouTube アナリティクスなど

6.BIツールを業務で使うために

BIツールを業務で使うために

4つの無料BIツールを紹介してきました。いずれも、期間限定のトライアル版ではなく、機能制限などはあるものの、無料で使い続けられるツールばかりです。

ただ、機能制限やデータ容量制限などがあれば、いずれ物足りなくなってくる場合もあります。

BIツールがどのようなものかを知ったり、担当者個人が自分の担当領域だけの分析をするなら、無料のBIツールでもいいかもしれませんが、現場で、あるいは企業全体で、エンタープライズ仕様で使うなら、有償版をお勧めします

データドリブンな意思決定支援という、企業の舵取りをサポートするような大切な業務なので、機能制限で不十分なデータ分析しかできない、といったことがあれば、それこそ本末転倒ですね。以下、比較表にまとめてみましたので、参考にしてください。

無料BIツール比較表

※○=可能、△=一部可能、▽=有償なら可能、×=不可能

名称 形式 対象規模
Pentaho
(ペンタホ) 
無料版(コミュニティ・エディション)
ソフトウェア型 企業規模問わず
ドラッグ&ドロップによる直感的操作 ノンプログラミングでのデータ取り込み SQLクエリによるデータ取り込み ガイド、テンプレート機能 データマイニング機能 アクセス権などの管理コンソール機能 モバイルでの閲覧
× × △▽
コスト 有償版 提供企業 本社所在地
¥0
エンタープライズエディション 金額は要問い合わせ。
ドロップアンドドラッグでのレポート作成、簡単インストールが可能になるなど
Pentaho Corporation アメリカ
名称 形式 対象規模
Qlick Sense
(クリックセンス) 
無料版(Desktop)
ソフトウェア型
クラウド型
企業規模問わず
ドラッグ&ドロップによる直感的操作 ノンプログラミングでのデータ取り込み SQLクエリによるデータ取り込み ガイド、テンプレート機能 データマイニング機能 アクセス権などの管理コンソール機能 モバイルでの閲覧
コスト 有償版 提供企業 本社所在地
¥0
ただしクラウド版の場合は以下の機能制限あり
  • 5人のユーザーと共有
  • 最大アプリケーション サイズ 25MB
  • 最大ストレージ 250MB
  • Qlik DataMarket の無料パッケージへのアクセス
サーバー版を有償提供。
約125万円程度~(要問い合わせ)
Qlik Japan アメリカ
名称 形式 対象規模
Microsoft Power BI クラウド型 企業規模問わず
ドラッグ&ドロップによる直感的操作 ノンプログラミングでのデータ取り込み SQLクエリによるデータ取り込み ガイド、テンプレート機能 データマイニング機能 アクセス権などの管理コンソール機能 モバイルでの閲覧
コスト 有償版 提供企業 本社所在地
¥0 Power BI PRO \1090/ユーザー/月(年契約)※。
データ容量の上限が無料1GB/ユーザーから10GBに増量、Office365との連携が可能になるなど
※https://powerbi.microsoft.com/ja-jp/pricing/
Microsoft Power BI アメリカ
名称 形式 対象規模
Googleデータスタジオ β版 クラウド型 企業規模問わず
ドラッグ&ドロップによる直感的操作 ノンプログラミングでのデータ取り込み SQLクエリによるデータ取り込み ガイド、テンプレート機能 データマイニング機能 アクセス権などの管理コンソール機能 モバイルでの閲覧
コスト 有償版 提供企業 本社所在地
¥0 「Googleデータスタジオ360」有償版 価格は要問い合わせ。
高度なデータ分析が可能に
Google アメリカ

有償版のBIツールの機能比較はこちらもご参照ください。また、BIツールの成功事例や導入事例も無料でレポートを提供しています。ぜひ活用してください。記事に共感いただけましたらFacebookページへのいいねもよろしくお願いいたします。

WRITER : ナツミ
今年から新たに担当することになった超文系ライター。「誰でも簡単に」分析が出来る「Actionista !」と大型バイクをこよなく愛する。 ビジネス・インテリジェンスについては現在猛勉強中。最近は「ドリルダウン」にハマっていて、やたらと会議で使いたがる。

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