わかりやすい在庫分析!ケーススタディとグラフで具体的な分析方法を解説

10 March.2021 / BI

わかりやすい在庫分析!ケーススタディとグラフで具体的な分析方法を解説

最近よく聞くBIツール。「便利そうだけど、何にどう使えばいいのかわからない」という声をよく聞きます。確かにBIツールは高機能で様々なデータ分析に活用できるだけに、具体的にイメージしにくいかもしれません。

そこで、業務での利用シーンに応じた具体的な分析事例を、在庫分析のケーススタディとして紹介します。<業務現場で実践されている分析手法をストーリーに沿って解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

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在庫分析とは何か?概念と目的を確認しよう

まずは、在庫分析はど何を指すものなのか、その目的をご紹介します。

在庫分析とは、自社が持っている今の在庫の状況やそれまでの在庫の流動状況をタイムリーに、正確に把握することです。在庫分析は、最適な在庫保有状況を実現するべく、適切な経営判断するために行われます。また、現場でどういう商品に販売注力するべきか、在庫処分をするべきかを検討する際にも有用です。

ケースで学ぶ在庫分析の方法

次に在庫分析の具体的な方法について、ケースを使って紹介していきます。

本記事で紹介する分析方法は以下の4つです。

  • ABC(在庫金額)分析
  • 在庫回転率分析
  • 交差比率分析
  • デッド在庫・緩動在庫

それでは、詳細を見ていきましょう。

ABC(在庫金額)分析

ある商社の営業部に勤めるB課長には最近悩みの種がありました。事業部長から「もっと会社の利益に直結する商品販売に注力しろ!」というオーダーを受けたのです。

B課長はいつも粗利率が高い商品を注力して販売するよう意識しているつもりです。しかしその旨を伝えると、事業部長は「まぁ、考えてみてよ」と笑顔で去っていきました。

「会社の利益に直結する」とはどういう意味でしょうか?

B課長は同期で商品戦略部のマネージャーであるC課長に相談してみました。C課長は主に会社の販売する商品の仕入、在庫の管理を担当しています。BIツールを活用して在庫管理をシステム化したことで社内から高い評価を受けています。

▼BIツールの「在庫分析」用ダッシュボード。経営陣用、生産管理用など、様々な用途に最適化できます。

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「会社の利益に直結する商品って何だろう?」と率直に聞いてみると、C課長は「事業部長が気にしている数字は僕らとは違うからね。B課長が言う商品の粗利益も重要だけど、会社経営という視点で見ると、販売前の在庫回転率も意識しておいた方がいいと思うよ」と言います。

「在庫回転率・・・?」

詳しい説明を頼むと、C課長はBIツールを利用した在庫分析を説明してくれました。

「まず在庫管理の定石とも言える『ABC分析』で分析してみようよ」

ABC(在庫金額)分析とは?

ABC分析は「重点分析」とも呼ばれ、多数あるものを特定の指標を使って重要なものから順に並べ、割合などの基準でABCの3つのグループに分類し、それぞれのグループ単位で重み付けした管理を行う手法です。在庫管理の他にも、発注管理、生産計画、販売戦略など、業務のあらゆる面で活用されています。

在庫状況を理解できるABC分析

C課長がBIツールの画面を見せてくれました。まず、全商品の当月末の在庫金額を確認してみると、全100商品のなかで上位18商品が在庫金額全体の30%を占めていることがわかります。

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在庫金額で上位に位置する商品の多くは「一つあたりの単価が高い」もしくは「単価は低いが売れると見込んで大量に在庫を抱えている」商品だとC課長は言います。

仮にこれらの商品の販売が伸び悩んだ場合、値引きをして粗利率を引き下げて販売したり、それでも販売しきれない場合には在庫を負債として費用計上したりといった必要があります。「リスク管理意識が特に高いウチの経営層は、この指標を特に意識しているみたいだね」とC課長。

B課長は思い当たる節がありました。営業はどうしても目の間の顧客のことで頭が一杯になりがちなので、商品を起点に最適な顧客を探す動きは後回しになります。

事業部長は「どの商品を売るかで会社の経営状況は変わってくるんだぞ」と言いたかったのではないだろうか。会社の舵取りを担う経営層は売上の数字だけでなく、費用として計上される数字や商品も常に意識しているため、営業部門のスタッフにも在庫状況をウォッチしていってほしいという思いを持っているのだろう」とB課長。

それに対して、C課長は「まぁ営業は突進するような部分がないとうまくいかないだろうけどな」と言います。「だから、営業部門とウチのような在庫管理を担当する部門が目標を共有する必要があるんだよ」と。

C課長は目標を共有する重要性について「在庫回転率/交差比率分析」での結果をもとに説明してくれました。

在庫回転率分析

C課長は在庫回転率分析から説明を始めました。

在庫回転率分析とは?

在庫回転率とは、期・月など一定期間中に在庫が何回転したかを示す数字です。特に多店舗展開している小売業界では、在庫回転日数(何日で全在庫が売り切れるかという数字)とともに重要指標として多用されています。

在庫回転率 = 売上金額 ÷ 在庫金額

「率」とありますが、通常は%ではなく、○回というように、100%を1回転として表記します。

在庫回転率が高いほど出荷(売上)に対する在庫量が少なく、効率的に在庫が運用されていることを示します。たとえば期中の在庫回転率が6回ということは、在庫が1年間で6回入れ替わったということです。つまり、2カ月で売上になっている(在庫回転日数が約60日)ということになります。

在庫回転率が高いほど在庫の滞留期間が少なく効率的と言え、逆に在庫が何ヶ月も滞留していれば、その在庫にかかった費用は、売上に変わらず寝ていたことになります。

ただ、在庫回転率を上げるということは、欠品による販売機会を逃すことにつながりやすいので、嫌う企業もあります。たとえばファッション業界では、しまむらの期中在庫回転率は約12回、ユニクロは約6回と倍の開きがあります。

交差比率分析

C課長は在庫回転率分析に続いて、交差比率分析についても教えてくれました。

交交差比率分析とは?

交差比率とは、在庫している商品が儲かっているのかどうかを見る指標です。一般的に粗利益率が高い商品は数が売れないことが多いため、粗利率だけでは本当に儲かっているかどうかを判断するには不十分です。そこで、在庫回転率と掛け合わせた指標である交差比率を見ることで、効率的に儲けを生み出しているかを見ていきます。

交差比率=粗利益率(%)× 商品回転率(回)

それぞれの要素の計算式は以下のようになります。

粗利益率=商品粗利益高÷商品売上高
商品回転率=商品売上高÷商品在庫高

この計算式を見てもわかるように、交差比率が高いということは、利益が多く在庫が少ないという効率的な状態と言えます。

BIツールでは、下のような2次元グラフで表せます。右上に近いほど交差比率が高くなります。

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交差比率で本当に注力すべき商材は何かを分析

C課長は、先ほどABC(在庫金額)分析で調べた当月末での在庫金額の上位20商品をピックアップして、在庫回転率と粗利率の交差比率分析を行い、ポートフォリオの形で見せてくれました。

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この図をみると、左上の商品番号「0323」は他の商品と比べて粗利率は高いものの、在庫回転率は一番低くなっています。あまり売りやすい商品ではないため、B課長はあまり注目していませんでした。

しかしC課長は、「0323より粗利率が高い商品は他にもあるだろうけど、当月末での在庫金額や売上実績を考えれば、同商品の回転率を高めると会社にとっては助かるだろうね」と言います。

▼ボストン・コンサルティング・グループが提唱した「プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM)」

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営業部門にいると、日々の売上を上げることばかりに目がいってしまうが、会社には費用管理を行う管理部門もあって、経営者や経営層はこれら2つの数字を意識して会社の舵取りをしているんだなあ。とB課長は理解しました。

「じゃあ、事業部長から言われた『会社の利益に直結する商品』の答えは、『0323』ということだね」と得意げにB課長が言うと、C課長はすぐに否定します。確かに今はそうかもしれないけど、時間とともに変化するからね。事業部長は『在庫金額や在庫を管理するための費用も意識して注力すべき商品を選べ』と言いたかったじゃないかな。

なるほど、そういうことか。「会社の利益に直結する商品」とはそういった意味だったのか。今後はこうしたデータも事前に確認した上で営業計画を立てていけばよいのか、とB課長は納得しました。

しかし、C課長からのアドバイスはそれだけで終わりませんでした。

デッド在庫・緩動在庫

C課長は、「ここまで来たんだから、利益に直結する商品だけではなく、デッド在庫・緩動在庫も把握しておく方がいいだろう」と、デッド在庫・緩動在庫について話し始めました。

デッド在庫・緩動在庫とは

在庫は、大きく分けてデッド在庫・緩動在庫・流動在庫の3つに分類されます。この数値は在庫回転期間をABC分析することで出すことができます。

デッド在庫とは、商品の型が古くなってしまったり、トレンドが過ぎて売れなくなった在庫のことを指します。 緩動在庫とは、なかなか流通せず、倉庫で長期間停滞してしまう傾向のある在庫のことを指します。流動在庫とは、先ほどの会社の利益に直結する商品をはじめ、在庫として自社に滞留することなく流通する在庫のことです。

B課長は、今までなんとなく感覚で捉えていたそれぞれの商品が、「実際どういう状態だったのか」を数値で知ることができ、もっと早く相談すれば良かったと思う反面、今後は現状を正しく知ることができるようになることに少し興奮しました。

そして、「なぁ、俺のパソコンのBIツールの画面にも、そのグラフを設定しておいてよ」とC課長に頼むことも忘れませんでした。

在庫分析で活躍するツール

ここまでのケースを通じて、在庫分析を実際に行う際の様子をご説明しました。

在庫分析で必ず使う必要なのは、分析するためのグラフ化です。在庫分析を行う上で様々な分析方法ですが、数字の表のままでは短時間で状況を捉えることができません。

グラフを活用することで現状を視覚的に捉えることができ、スピーディーかつ正確に情報を把握することができます。

掲出するデータによって、棒グラフ、円グラフ、折れ線グラフ、帯グラフ、ヒストグラムなど、適切な表現方法を選びましょう。

最後に、在庫分析を行う際に活躍するツールについてご紹介をしていきます。

エクセル

在庫分析でエクセルを活用している方も多いのではないでしょうか。

表計算で様々な分析を行うことができる便利なソフトウェアです。それぞれのデータを簡易的にグラフ化することもできます。

企業によっては、数千行、数万行という処理が必要になるため、ビックデータを利用するビジネスにはあまり向きません。また、複数人での同時に処理をすることもできないなど、いくつか運用時には注意するべき課題もあります。

エクセルは身近にある便利なツールである一方で、使いづらい部分もあると言えます。

BIツール

最後にご紹介するのは、BIツールです。

BIツールはデータの収集から分析、加工までも行う事ができる、ビジネスのデータ活用に最も役立つツールです。外部データやビックデータを掛け合わせることもできるため、より深い分析が可能になります。

BIツールを利用することで、膨大なデータをグラフで視覚的に捉えることができるようになります。初期設定でデータの吸い込み連携をしておけば、自動的に更新がされていくため作業負担も軽減できます。

特に経営・マネジメント層の「限られた時間で正確な情報を把握したい」「タイムリーに情報をチェックしたい」といったニーズにマッチしていると言えます。

エクセルにあったような使いづらさもなく、在庫分析を進める上で適したツールだといえるでしょう。

まとめ

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いかがでしたでしょうか?今回は、営業部門での活用が想定される在庫分析の進め方と分析の種類、利用するツールをご紹介してきました。

在庫データの分析については、現場部門でも経営者視点で販売に注力すべき商材把握に役立つのではないでしょうか。

BIツールを利用すれば、日々の蓄積データが自動でグラフや表に反映されるため、だれでもすぐに課題となる箇所をわかりやすく可視化することできます。

在庫分析をするためにBIツールも検討してみてはいかがでしょうか。

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