【 リアル分析事例 】
BIツールの使い方教えます。予実分析、ABC分析、在庫分析を具体的事例で解説。

24 March.2019 / BI

BIツールの使い方教えます。予実分析、ABC分析、在庫分析を具体的事例で解説。

BI(ビジネス・インテリジェンス)という言葉は、だいぶビジネス社会で認知されてきたように思います。ただ、実際に現場でどう使うのかまで知っていないと、自社に導入するメリットがあるのかどうか、わからないですよね。

そこで今回は、BIツールでできる代表的な分析手法を、どんなデータを使って、どのように分析するのか、具体的なケーススタディでご紹介します。ぜひご自分の会社に置き換えながらお読みください。

自社に最適なBIツールは?BIツール徹底比較

自社に最適なBIツールは?
BIツール徹底比較

自社に最適なBIツールは?BIツール徹底比較

無料トライアルもある3つの主要BIツールを比較しながら、自社に最適なBIツールはどれか、ツール検討時のポイントをご紹介しています。ぜひ、お役立てください!

<予実分析事例>/予算と実績の差から今後の戦略を構築

「予実分析」とは?

予算(目標)と実績を比較して、その理由を深掘りし、今後の戦略を構築する「予実分析」。企業経営のなかでも一番重要な業務のひとつと言われます。よく達成率の数字が注目され、わたしもつい、達成率何パーセントかという数字だけで一喜一憂してしまいますが、本当に大切なのは、「なぜその数字になったのか?」「数字を良くするためには今後何をすればいいのか?」を分析していくことだと思います。

BIツールであれば、予算(目標)、実績、予実差、達成率といった一般的な数字はもちろんですが、過去からの推移や部門別データも簡単な操作で出力でき、定型レポート化も容易です。気になる数字があれば、部門別、担当者別、顧客別などに、ドリルダウン、ダイシング、スライシングしていけるので、分析の大きな力になってくれます。

ドリルダウン

たとえば10年間の売上推移から、特定の年の月別推移に移る、といった使い方がドリルダウンです。ドリルで穴を空けて地下を見るイメージです。逆に月別から年別に移ることを「ドリルアップ」と呼びます。

ダイシング

10年間の売上推移から、10年間の経費推移に移るように、グラフや表の片方の軸を変えて分析するのが「ダイシング」。サイコロ(Dice)の面を変えるイメージです。

スライシング

10年間の全社の売上推移から、たとえば商品別の売上推移に移るのがスライシング。ハムかなにかのように、売上を薄く切って(Slice)取り出すイメージです。


「予実分析」のケーススタディ

コンデンサや基盤、コネクタなどをメーカーに販売している、ある電子部品商社の例をもとに解説していきます。
※ただし、数字や部署名、担当者名などはサンプルデータを入れています。

この会社では、営業やマーケティングなど、各部門がBIツールを使って、毎月予実分析を行っています。それまでは経営企画室が全社の分析を行っていたのですが、それではどうしても細かい部分まで対策を練ることができませんでした。そこでBIツールを導入し、社長が目標に掲げる「全員経営」を目指して、経営企画室とは別に、各部門でも分析を進めています。

営業部門ではまず、「部門別売上粗利予実」を見ていきます。達成が青、未達が赤で表示されるBIツールもあり、数字が並んでもポイントを把握しやすくなっています。

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12月の売上予実では、西日本営業部、西日本1Gの達成率が低いのが目に付きました。
売上規模の大きい部署でもあり、全社に及ぼす影響が大きいので、理由を分析することに。

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ドリルダウンして、西日本1Gを細かく担当者別に見ていくと、兵庫太郎の達成率が大きく落ち込んでいるのが気になります。

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さらにドリルダウンして、兵庫太郎の売上予実の内訳を細かく見ると、担当している中部電波工業とセルコホールディングス、千葉光電工業といった会社の売上が悪いことがわかります。なかでも千葉光電工業は売上計画に占める割合が高いため、次月は千葉光電工業への対応を強化することになりました。

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そこでスライシングして、千葉光電工業の商品種別ごとの売上構成比を見ると、3種類のコンデンサの売上はほぼ均等ですが、「アルミ電解コンデンサ」の比率がやや高いことがわかります。兵庫太郎によると、最近ニーズが高まっているとのことなので、さっそく「アルミ電解コンデンサ」の受注増に向けて提案書を作成することになりました。

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このように、予実達成率の数字の原因を分析し、具体的なアクションにつなげていきます。BIツールを使えば、その過程が効率的になります。

<ABC分析事例>/商品や顧客をランク分けして企業活動を効率化

「ABC分析」とは?

「重点分析」とも呼ばれて、顧客管理や販売管理で一般的に使われる分析手法です。商品を売上高などでABCの3段階に重み付けし、売れ筋や死に筋を把握するときなどに使われます。たとえば、取り扱っている全商品の過去一年間の売上をABC分析して、3つのグループごとに、特定の季節や特定の顧客でスライシングしたり、曜日ごとにドリルダウンしたりと掘り下げていきます。

BIツールを使えば、データが一元管理されているので、スライシングやドリルダウンなどの再集計が簡単にできます。グラフを作成するのも簡単ですので、目で見て直感的に分析することが可能です。


「ABC分析」のケーススタディ

電子部品商社の営業部門で、さらに「売上粗利予実」で売上数字を顧客ごとに見ていくと、面白いことがわかりました。下記の図をご覧ください。ダッシュボード左下のグラフを見ると、数多い取引先のうち、売上上位7社の合計が、売上の70%を占めているのです。

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また、右下の商品別・売上ポートフォリオからは、アルミ電解コンデンサの構成比と伸び率が高いことがわかったのです。

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そして、売上高1位のミチコンのデータをドリルダウンして、商品別売上状況を見てみると、

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「アルミ電解コンデンサ」の売上構成比率は14%で、全社平均の29%と比べれば、まだまだ伸びしろがありそうです。そこで、戦略的に「アルミ電解コンデンサ」の販売を強化しようと考えました。

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売上数字からドリルダウンして、「アルミ電解コンデンサ」の部門別売上を見ると、売上が多いのは「東日本1G」と「西日本2G」です。

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さらに部門別売上をドリルダウンして、担当者別売上を見ていくと、東日本1Gの「千葉花子」と、

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西日本2Gの「滋賀太郎」がアルミ電解コンデンサの提案を得意としていることがわかりました。

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そこで、「アルミ電解コンデンサ」の営業企画を「千葉花子」と「滋賀太郎」に依頼し、ABC分析で抽出された上位7社への展開を実施することが決まりました。

<在庫分析事例>/適正在庫を目指して回転率や数量を分析

「在庫分析」とは?

適正在庫の設定には、どの企業も頭を悩ませています。在庫切れによる販売機会損失がなく、しかも売れ残りで値引き販売や賞味期限切れなどによる廃棄処分が出ない在庫量。完璧にできている企業はないと思います。それだけに、在庫分析は腕の見せ所です。

BIツールであれば、在庫数量、在庫回転率、粗利率といったデータが一目瞭然。製品ごと、月ごと、店舗ごと、担当者ごと、といった深掘りデータも簡単に表示させることができます。


「在庫分析」のケーススタディ

今度は、ある小売業の例をもとに解説します。

この会社は、在庫分析では在庫回転率と粗利を重視しています。在庫管理を担当する仕入部門は、BIツールのダッシュボードに在庫回転数と粗利を設定し、その2つを軸にした交差比率の上位20製品、下位20製品も表示するようにしています。ダッシュボードをチェックすれば、売れ筋、死に筋も一目瞭然になるからだそうです。

どうやって在庫分析をしているかというと、

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交差比率のグラフから、売上の大きな(丸が大きい)製品の中では、0087の在庫回転率がよくないことがわかります。粗利率は悪くないことから、在庫を上手く調整すれば、収益性が高まると考えました。

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そこで製品名0087のデータを月間でスライシングし、昨年と比較してみました。すると、6月から10月の在庫数量が昨年に比べてずいぶん多かったことがわかりました。例年であれば夏から秋にかけて在庫を減らし、製品が一番売れる冬前に追加発注で在庫を積み増すという戦略でした。ところが昨年は冷夏の予想だったので、在庫を増やしてキャンペーンを打ってみたものの、期待ほど販売できなかったため、在庫が積み上がってしまっていたのです。

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販売部門とも相談し、今年も夏場の販売はあまり期待できないことから、6月から10月の在庫数量を調整し、在庫回転率を改善させることに決まりました。

自社の業務にあてはめてみよう!

上の例のように、それぞれの会社のミッションや戦略、重視しているポイントなどによって、分析の進め方は変わってきます。

BIツールを使った業務分析の具体的なイメージをつかめたら、ぜひ自社の業務に置き換えて利用シーンや必要なデータを検討してみましょう。

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