【導入事例に学ぶ】
BIツールが現場で活用されるための5つの鉄則とは?
BIツールの導入するメリットが多いのは分かるけど、実際の導入した後のイメージが付かない、どうしてそのツールを選んだのか分からない......と思った事はありませんか?
今回は導入以前や選択理由だけでなく、導入するために行った準備についてもくわしくご紹介いたします。
【業界別】事例から学ぶ
データ分析 10の手法
BIツールの導入を検討している方からは「現場での活用イメージが持てない」という声をよく聞きます。
本資料ではデータ分析手法を実際の事例とともにわかりやすくまとめています。ぜひご活用ください。
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導入成功企業はBIツールをどう使っている?
BIツールの導入を検討している方から、「成功した事例を教えて欲しい」とよく言われます。BIツールのメリットには魅力を感じるものの、「ウチの会社できちんと使えるのか不安」という言葉もよく聞きます。そんな方には、導入事例が参考になると思います。
そこで今回は、私も日々使っている、「Actionista!」の導入事例から3社をピックアップしてご紹介します。
どういう課題や目的があって導入を検討し、どういう基準でBIツールを選んだのか。稼働までにどういう工夫をしたのか。そして、なぜ成功に至ったのかご紹介します。ぜひ「自分の会社に導入するとしたら」をシミュレーションしてみてください。
【導入事例1】800人が毎日使う、営業活動に直結したBIに
x鳥居薬品株式会社 業種:医薬品/従業員数:1058名(当時)
引用:鳥居薬品株式会社
医療用医薬品を扱う製薬メーカーとして140年以上の歴史を持つ鳥居薬品、日本たばこ産業(JT)との協業体制を敷き、研究開発機能はJTが担当、製造販売を鳥居薬品が担当するという独自のビジネスモデルを構築し、業績を伸ばしています。
「現在、製薬業界は非常に競争が厳しくなっています。例えばジェネリックとの競争にさらされている分野はもうその流れを止めることはできません。では、どこに勝機を見出すのか、細かくデータを分析した上で戦略を立てなければ生き残っていけません」という状況の中、BIツールを選ぶ目線も真剣そのものです。
導入以前/複数のBIツールとエクセルの併用状態
もともと鳥居薬品はデータ活用に熱心な企業で、情報システム部が複数のBIツールで基幹システムのデータ分析を行い、さまざまな市場データは営業企画部が自らExcelに取り込んで分析を行っていたそうです。
そんな中、新たな市場データをより迅速に入手できることになったものの、現行の「Excelベース」の分析体制では「新しい市場データの情報量やスピード感を活かしきれない」という課題が浮き彫りになり、データ分析・活用スキームの見直しが始まりました。
選択理由/グラフ表現力とスピード感が決め手に
最初は既存のBIツールへの統合を検討されましたが、「グラフなどの表現力が不十分で、結局、このままExcelを併用するのかと悩んでいた」そうです。そして、データ活用のスピード感と表現力、両方の課題を解決できるBIツールを探していく中で、「Actionista!(アクショニスタ)」のデモを見て、「課題となっていたグラフ化がすぐできるだけでなく、分析画面もとても見やすい」、「グラフから視覚的に詳細データを深掘りできるなど、従来のExcelとは違う次元でデータの可視化が可能なので、膨大なデータでもしっかり活用できる」と情報システム部だけでなく、現場の営業部門からも高い評価が集まり、「Actionista!」にすべてを統合することが決まりました。
「Actionista!」は、それまでのユーザーごとに費用がかかるユーザーライセンス方式ではなく、サーバーライセンス方式なので、「利用者を限定する必要がなく、自由に使ってもらえる」というコスト面での魅力も大きかったそうです。
稼働準備/ダッシュボードを400個用意
導入の中心的役割を担った情報システム部では、「とにかく現場に使ってほしいという思いから、使われる仕掛けに徹底的に拘りました」と、非常にきめ細かく移行作業を進めたそうです。
「現場での混乱を避けるため、従来通りの分析操作ができ、かつ重要な集計表などは見た目が変わらないように依頼し、これをすべて実現してもらいました」というように、既存のBIツールからの移行課題をジャストシステムと協力して一つ一つクリア。さらに、「利用頻度の高い営業実績を分析するダッシュボードをあらかじめ400個ほど作成し、ポータルから条件を指定して直接利用できるようにしました」という徹底した準備を経て、Actionista!の全社運用が開始されました。
導入効果/全社員の8割が毎日アクセスする分析ツールに!
導入の効果は大きく、「Actionista!が導入されてから、毎日全社員の8割に当たる数のアクセスがあります。特に朝の利用が多いことから、まずデータをチェックして1日の活動をスタートさせているようです」と、すっかり会社全体のルーティンに組み込まれています。
データ分析のスピード感も期待通りだったとか。「以前のBIツールは新規のデータを取り込むだけでも外部に依頼する必要がありましたが、現在は情報システム部だけで作業を完結>できます。データ活用は鮮度も重要なので、今後このリードタイム短縮がより大きな効果を生むのではと思っています」
現場からは、「煩雑なExcelの作業から解放され、もう元には戻れないと感じています。今後はMR(※)の活動分析や経費の分析など、新たなテーマにも取り組んでいきます」と、より一層の活用を期待する声まで上がっています。
※MR=メディカル・レプリゼンタティブ=製薬会社の営業職
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【導入事例2】役員会に衝撃が走った、使いやすいBI
THKリズム株式会社 業種:製造業/従業員数:1884名(当時)
引用:THKリズム株式会社
自動車向けのステアリングやサスペンション、ブレーキなど「重要保安部品」の開発・製造を行う専門メーカー、THKリズム。世界中の自動車メーカーに数多くの製品を提供する関係上、国内3拠点、アメリカ2拠点、中国2拠点、タイ、マレーシア、メキシコと計6カ国10拠点を展開しています。
グローバルな舞台で活躍する企業だけに、BIツールもグローバル対応が求められていました。
導入以前/グローバルでのERP導入が完了、次は活用の段階に
2011 年、グローバル拠点の管理徹底を目的としたプロジェクトが立ち上りました。まずERP(基幹系情報システム)の導入が進められ、既にタイ、中国、メキシコでERPが稼働しています。
そして、「ERPが軌道に乗り、収集されたデータの精度も高くなってきたので、次の段階としてERPデータを人に見せて活用していきたい」という次の段階に移行しました。当時はまだフォーマットがバラバラなExcel書類を紙にプリントアウトしてやりとりする状態だったと言います。
選択理由/役員でも使いたいと思える簡単なBIツール
プロジェクト・チームは目的のひとつである「情報の見える化」実現のために、BIツールを探し始めました。しかし、最初に検討したBIツールは、導入の入口であるキューブ(多次元データベース)設計の段階で「概念の理解自体が難しく、いきなりつまずきました」という状態に。
誰もが使いたい、特に役員が使いたいと思えるBIツールにしたいと考えていたプロジェクト・チームは、見た目にわかりやすく、操作も簡単なツールを選ぶと決め、その中で出てきたのが「Actionista!」でした。
「BIはまずつくって見せる。そこから要望が出てきて成長していくものだと考えていましたので、Actionista!のように早く低コストで導入できることはもの凄く重要なポイントでした」と、導入が決まりました。
稼働準備/世界の全拠点の数字が一覧できるダッシュボードを作成
導入後の活用を促すために、プロジェクト・チームは役員への見せ方に徹底的にこだわりました。
「役員からは、グローバル拠点のトレンドを見たいという要望がありました。そこで売上、購買、粗利、在庫の項目ごとに全拠点のトレンドがひと目でわかるダッシュボードをActionista!でつくりました。何回もクリックさせるような仕組みだと役員は絶対に使わない。しっかり活用してもらいたいという思いから、この部分は強くこだわりました」と、データのビジュアライズにこだわる形で準備が進みました。
導入効果/役員に衝撃が走ったBIツールお披露目会
その後、全役員の方々を招集した朝会の場で「Actionista!」のお披露目が行われました。
「これまで紙の資料ばかり見ていた役員にとって、自由自在に数値が読めることは大きな衝撃だったようです。役員が直接的にERPのデータを活用できると感じた初めての瞬間でした」と周囲も驚いたほどで、これは会社として今後大きな変化を生みそうです。
「やりたいことはまだまだあります。ITは業務部門からの要望に対応するのですが、逆に提案をどんどん増やしていきたい。そして、システムの導入コストに対して、目に見える形で会社に成果を返していきたいと考えています」と、夢は広がります。
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【導入事例3】Excelでの集計・グラフ化作業がゼロに
日本電子材料株式会社 業種:製造業/従業員数:559名(当時)
引用:日本電子材料株式社
半導体検査に欠かせないプローブカード開発・製造の世界トップクラスメーカー、日本電子材料。半導体は性能が18~24カ月で倍になる(ムーアの法則)という凄まじい技術革新を続ける分野だけあり、情報更新のスピードも速く、そしてグローバルに広がっています。
日本電子材料も日本、アジア、アメリカ、ヨーロッパの四極体制を確立、刻々と変化していく情報を分析し、素早い経営判断による舵取りが必要となっています。
導入以前/各部署が専任担当者を置いてExcelでデータ集計
日本電子材料では、以前から基幹システムの整備が進められ、データの一元化は完了していました。しかし、「データの集計やレポーティング作業はユーザー部門任せになっており、各部署が専任の担当者を置くなどして、Excelやプログラミングを駆使して、日々のデータを集計するなど、大変苦労していました」という状況だったそうです。
そして、経営層からユーザー部門の作業軽減と効率化の指示があり、BIツール導入の検討を始めました。
選択理由/経営層でも使える操作性と見た目の良さ
検討作業は、情報システム部門を中心に、2社のBIツールに絞って、比較する形で進められました。そして選ばれたのが、Actionista!でした。
「日々Excelで作成していた、営業日報のデータ集計・レポーティングをActionista!で再現してみました。使いやすい、すぐできてしまう、見た目も良い。経営層や一般社員も使いこなせるツールだ!と思いました。マニュアルを読んだ記憶がありません(笑)」。検証環境を使ったこの社内プレゼンで、経営層からも「これはいいね!」と賛同を得て採用が決まりました。
グローバルでの全社展開を考えると、ユーザー数ではなく、サーバーライセンス方式のActionista!はコスト面でも魅力的だったと言います。
稼働準備/ユーザー部門が「導入して手間が増えた」と感じないように
そして、情報システム部門は、実際に行われているデータ集計作業やレポートをダッシュボードなどで自動的に行えるよう準備を進めました。
「売上予実、仕入れ、在庫、原価など、日次や月次の定型レポートの自動化を行いました。ですが、これまで新しいシステムをいくつも構築してきましたが、Actionista!ほどスムーズに導入できたケースは初めてでした。非常に導入しやすい製品でしたね。導入前・導入後の営業・技術の方のサポートも良かったです」
導入効果/経営会議でBIツールを基に議論が交わされるように
導入後は全社で効果を実感できていると言います。
「通常、新システムを導入すると、ユーザー部門の手間が増えるため、文句を言われることが多いのですが、Actionista!に関しては、良い、助かっている、一般社員でも集計・レポーティングができるようになった、という喜びの声ばかりなので、導入を担当したシステム部門としてはうれしいですね」
経営会議でも、Actionista!をプロジェクタに投影して議論が交わされています。「『この数字はどうなっているのか?』と聞かれて、以前であれば『後で確認しておきます』で終わっていたものが、Actionista!があれば必要なデータをすぐに見ることができ、その場で話が完結します」とスピード感が上がったことに、社長からも「良いツールが入ったね!」と褒められたそうです。
情報システム部門は、Actionista!のさらなる活用を考えています。
「今はまだデータの集計とレポーティングに留まっており、そこから分析を加えていくというBIツール本来の使い方を進め、一人でも多くの社員に使ってもらいたいですね。そして、Actionista!を使って何ができるか、何をすべきかを、社員全員が思考すれば会議のやり方、資料の作成の仕方など、業務スタイルを大きく変革する起爆剤になると考えています」
これからActionista!との長いつきあいが続きそうです。
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まとめ:「どう使ってもらうか」が重要
3社の導入事例を見てきましたが、導入を検討中の方の参考になる鉄則がいくつもあったのではないでしょうか。私が特に感じたのは、次の5つ。鉄則1:データは蓄積だけでなく、「使われる」ことが重要
BIツールは、まず社内に散らばるデータを一元化して蓄積することに注目しがちですが、目的は蓄積ではなく、経営判断の支援に「データが使われる」こと。実際に経営層や現場が使うことを想定してツール選択や導入準備をすすめていくことが重要です。
鉄則2:「導入」だけを考えず、「どう使われるか」を追求
導入時は理想に燃えて、「運用の手間はかかっても、やったほうがいいこと」を進めがちですが、現場の負担が大きくなると、使われなくなったり、ツールへの不満感が高まったりすることも……。日本電子材料の事例でも、「通常、新システムを導入すると、ユーザー部門の手間が増えるため、文句を言われることが多い」という話がありました。現場の日常の負担を考えながら、理想を実現する準備が必要です。
鉄則3:導入検討は情シスだけでなく、現場の責任者やキーマンと行う
鳥居薬品では情報システム部門が営業部門と密にやりとりをして選択・導入を進め、THKリズムと日本電子材料では、「経営層が使いこなせる」ことを重視して、情報システム部門が役員会でプレゼンして検討してもらうなど、情報システム部門がリードするものの、現場や経営層を巻き込んで検討しているのが、成功企業の共通点です。
鉄則4:「使い勝手のいい画面」をひとつ作ってみせる
日常のビジネス活動にすんなりとけ込めるかどうか判断するには、実際に実用レベルのものを試してもらうのが一番です。少し手間はかかると思いますが、日本電子材料が実際の営業日報をBIツールのダッシュボード化して社内プレゼンしたように、今まで使っていたものを電子化してみせることで、メリットを感じてもらいやすく、改善点も明確になります。
鉄則5:まずは小さく始めて、徐々に広げていく
THKリズムの情報システム部門の方が「BIはまずつくって見せる。そこから要望が出てきて成長していくものだと考えています」とおっしゃっていた言葉が印象的でした。最初から完璧なものをリリースするよりも、スモールスタートで、小さく始めて、徐々に役割を大きくしたり、対象を広げたりすることが、浸透への近道です。
結局、「どう導入するか」ではなく「どう使ってもらうか」ということに尽きるのだと思います。情報システム部門としては、経営層が現場がお客様のような感覚で、「どうすれば使ってもらえるか」、「どうすれば役立ててもらえるか」を極めていくことが、BIツール導入の成否を決めると、今回の事例を見て考えました。
最後までありがとうございました。なお、サイトでは上の3社以外にも、数多くの導入事例をご紹介しています。業種や企業規模、分析課題などが近い企業の事例をご参照ください。
【業界別】事例から学ぶ
データ分析 10の手法
BIツールの導入を検討している方からは「現場での活用イメージが持てない」という声をよく聞きます。
本資料ではデータ分析手法を実際の事例とともにわかりやすくまとめています。ぜひご活用ください。