メディアとのつきあい方講座

メディアとのつきあい方学習実践事例レポート

CMや広告の情報特性を学び 氾濫する情報を見極める目を養う
東京都・北区立赤羽台西小学校 野間 俊彦先生

[まとめ] 理解したことを短冊に書き出す

気づいたことをカードに記入

この時点で、なぜ「よく消える」「持ちやすい」といった消しゴムの本来の能力をアピールしなかったのかを尋ねると、「あんまり消えないし、持ちやすくないから。それを言ってしまうと売れない」という声が帰ってきました。マイナス面を意識した子どもたちはほんの少し戸惑い気味です。そこでこう説明します。

「でも、みんなも嘘をついたわけではないでしょう。本当は悪いところもあるんだけど、良いところを強調しなければ商品は売れません。これはテレビCMや雑誌の広告も同じです。さて、それでは、これからCMや広告を見て商品を買うときに、どんなことに気をつければいいか。カードに書いてください」

子どもたちは1人1枚ずつ配布したカードに、今回の学習で考えたことを書き出していきます。最後の発表では、子どもたちが考えを整理しやすいように、カードを分類しながら黒板に掲示しました。

子ども達の理解も深まっていく

●本当に必要なものか、よく考えて買う

●持っている人に尋ねる

●パッケージの表示や注意書きをしっかり見る

●品物の悪い面をよく考える

●通販では買わない

これらが、主だった意見です。どうやら、子どもたちは多くのことに気づいてくれたようです。

授業を終えて

野間俊彦先生 野間俊彦先生
東京都北区立赤羽台西小学校
早くから情報教育に取り組み、東京都の情報教育では指導的立場に立つ。日経パソコンにもエッセイを長年連載中。

まず、CMづくりがあんなに盛り上がるとは思いませんでした。同じ消しゴムなのに、キャッチフレーズの内容は8班8様で、その表現力の豊かさにはこちらが驚かされました。また、作業手順を明確に提示したことで、子どもたちは次に自分がなにをすればいいのかを理解でき、授業のスムーズな流れが作れたと思います。

ただし、盛り込んだ内容が多かったので、駆け足の授業になってしまったことが反省点です。今回は1時間の授業でしたが、2時間扱いで子どもたちの理解を確認しながらゆっくり進めれば、もっと理解が深まったと思います。また、最後のまとめで、全員の感想を取り上げられなかったのも残念でした。

総括的に見れば、子どもたちに「CMには簡単にのせられないぞ」という意識を持たせるという目標はクリアできたと思います。また、作り手の作業を経験させたことで、“CMは悪”という意識にならなかった点も成功でした。今回の授業を基礎として、今後、情報を鵜呑みにしない姿勢を育成するための、より踏み込んだ授業を展開していきたいと考えています。

取材/元木哲三 撮影/片桐圭
※本文中の情報は、すべて取材時のものです。