導入事例
Excel・オンプレミスから脱却し
JUST.DBで加速する東レ・ファインケミカルの設備管理DX
導入事例の概要
高度な専門技術を要するファインケミカルを製造する東レ・ファインケミカルでは、Excelによる設備管理の属人化や非効率を解消すべく2018年にUnitBaseを導入し、大きな成果を上げてきた。しかし、クラウド化方針やBCP対応強化の必要性が高まり、2025年にJUST.DBへの移行を決断。国内4工場・約300名のユーザーが利用する約60個のDBと約30万レコードを引き継ぎ、設備管理DXのさらなる深化を進めている。
導入前の背景
属人化・オンプレミスの限界とグループ全体のクラウド化方針
以前は設備管理や予算管理をExcelで運用しており、同時アクセス不可やメンテナンス負担の大きさなどが課題だった。2018年のUnitBase導入で大きく改善したものの、利用が拡大するにつれてデータ可視化やUIの改善に限界を感じ始めた。さらに東レグループ全体で工場サーバーのクラウド化方針が示され、移行の検討が本格化した。
採用の理由
データ移行の完全性と高水準のセキュリティが決め手に
移行先の条件は、UnitBaseの既存データを引き継げること、クラウド型かつ高水準のセキュリティ体制を備えること、約300名がコストを抑えてストレスなく使えること、UnitBase同等以上の操作性の4項目。JUST.DBはこれらすべてを満たし、セキュリティ管理体制とランニングコストの優位性も評価されて選定に至った。
導入後の成果
約60個のDBと30万レコードを完全移行し4工場で安定稼働
2024年12月に移行検討を開始し、2025年12月までに約60個のDB、約30万レコード、添付ファイル約25GBの移行をほぼ完了した。現在は千葉・松山・守山・東海の4工場において生産部門、品質保証部門、技術開発部門など約300名が問題なく利用している。
ファインケミカルの現場を支える
設備管理の基盤をクラウドへ
東レ・ファインケミカル株式会社は、国内唯一のDMSO(ジメチルスルホキシド)およびポリサルファイドポリマのメーカーとして、高度な専門技術を要するファインケミカルの製造を担う東レのグループ会社だ。現在ではスペシャルティケミカル、特殊ポリマ、メルトブロー不織布など多彩な製品群を手がけ、すべての工場でISO9000、ISO14000シリーズの認証を取得している。
同社の国内4工場では長年、設備管理や予算管理などをExcelで運用してきたが、マクロの多用によるメンテナンス負担の大きさや同時アクセスができないこと、ノウハウのブラックボックス化などが課題となっていた。これを解消すべく2018年にオンプレミス製品であるUnitBaseを導入し、属人化リスクの低減や情報の整理・蓄積において大きな改善効果を得た。
しかし、利用が広がるにつれ新たな課題が浮かび上がってきた。千葉工場 工務保全課長の仲倉健介氏は「利用範囲や頻度が拡充するにつれUnitBaseの重要性が増し、BCPも含めたより安定した運用が求められるようになりました。加えて、データの可視化やユーザーインターフェースの改善にも限界を感じ始めていました」と当時を振り返る。東レグループ全体でも工場サーバーのクラウド化方針が2023年頃に示され、移行の検討が本格化した。
データ移行の完全性を確保しながら
システム部門外の担当者が主導
移行先の選定で最重視したのは、UnitBaseで長年にわたり蓄積してきたデータを完全に引き継げることと、機密性・完全性・可用性を含むシステム全体としての信頼性だった。千葉工場 工務保全課 主任部員の黒田尚氏は「JUST.DBはこれらの条件を満たします。加えて、移行によるDB利用停止が数日以内に収まることや、国際規格の認証取得によるセキュリティ管理体制、ランニングコストの優位性を評価し、選定に至りました」と語る。
移行作業では約60個のDB、約30万レコード、添付ファイル約25GBという大規模なデータを、システム専門部門ではない担当者が主導して移行していった。黒田氏は「システム的な知識が必要なときも、ジャストシステムのサポートに問い合わせれば、早ければその日、遅くても翌日にはわかりやすい回答をいただき、そのお陰もあって移行作業自体は約1カ月で終える事が出来ました」と手厚いサポートを評価する。
移行にあたってはユーザーの混乱を防ぐことも重視した。工場ごとにパネルの色を分けたり、フィルターとパネル間連携の使い分けを工夫したりと、誰が見ても操作がわかるUIを意識して構築。他工場の取り組みを参考にできる環境をつくることも念頭に置いたという。
視認性と全文検索の強化で
情報活用の質が一段階上がる
現在JUST.DBで管理している業務は、設備点検修理管理、設備台帳・保全履歴・保全計画管理、購買・工事依頼管理、プロジェクトタスク管理、非定常作業管理、エンジニアリング関連ナレッジ共有など多種多様だ。東レグループ内で定められたドキュメント類もJUST.DBで共有・管理しており、工場運営に欠かせない情報基盤として機能している。
JUST.DBへの移行後、現場から上がった効果も多岐にわたる。視認性が高まりグラフ表示で直感的に状況を把握できるようになったほか、パネル間連携機能によりデータの絞り込み操作がひと目でわかるようになった。また、全文検索機能の追加により、添付されたレポートなどのファイル内容まで検索できるようになり、情報の取りこぼし防止とナレッジ活用の促進に貢献している。黒田氏は「全文検索を活用した仕組みをわずか1カ月程度で構築できたのも、JUST.DBだからこそだと感じています」と話す。
在庫管理の面でも変化が生まれた。従来Excelで四半期ごとに棚卸しを行っていた在庫確認をJUST.DBでリアルタイム化。モバイルデバイスからの入出力も可能になり、現場での突発的な対応判断もスムーズになった。さらに、タスク管理機能の強化によって各担当者の業務進捗の管理も充実した。
グループ間連携とモバイル活用で
設備管理DXのすそ野を広げる
今後はスペース機能を活用して、東レグループ内や取引先との情報共有・連携強化を図り、紙でのやりとりをデータの引き渡しに置き換えることでプロジェクト全体のコスト削減につなげる方針だ。
また、モバイル用インターフェースを活用した現場巡視点検のDX化や予備品管理のスマート化も推進する予定で、タブレットを使った予備品管理についてはすでに取り組みがスタートしている。仲倉氏は「JUST.DBならではのスピード感で実現できました」と手応えを示すとともに「設備管理DBとして積み上げてきた資産を土台に、4工場全体と同時にグループ内外との連携を広げながら、さらなる業務効率化と情報活用の深化を目指していきます」と力強く語った。
東レ・ファインケミカル株式会社
千葉工場 工務保全課長
仲倉 健介 氏
東レ・ファインケミカル株式会社
千葉工場 工務保全課 主任部員
エンジニアリング企画室 主任部員
黒田 尚 氏