導入事例
脱Excelから内製SFAへ
JUST.DBで営業・製造をつなぐ業務基盤を構築
導入事例の概要
エスアイエス・テクノサービスでは、案件や売上の管理にExcelを利用してきたが、情報の分散や共有遅れ、非効率な転記作業の発生など、その限界は明らかだった。過去に他ツールでのSFA導入トライアルをしたものの、フィットしなかった経験も踏まえ、同社は「JUST.DB」の導入を決断。業務プロセスの再設計を同時に進めることでExcel依存から脱却し、営業・製造の両部門が情報をリアルタイムに共有できる基盤の構築に成功した。
導入前の背景
Excel管理が生んでいた情報分断と業務停滞
Excelで案件情報や売上情報を管理していたため情報の最新化に時間を要し、営業活動の経緯や顧客ニーズが十分に蓄積されず、継続的なアクションプランの策定も難しい状況だった。また、営業と製造が同じ情報を見ていても、リアルタイムに共有できず、口頭確認が頻繁に発生。業務効率だけでなく、営業ノウハウの標準化や改善を阻む要因となっていた。
採用の理由
業務に合わせて作れるノーコード内製という選択
過去に他ツールのSFAを試したものの、自社の営業プロセスに合わず導入を見送った経験から、同社は脱Excelと業務標準化を同時に実現する方針へ転換。ノーコードで内製開発が可能なJUST.DBに着目した。セキュリティ要件を満たしつつ、追加プラグイン不要で必要な機能をすぐさま実現できる点や、コスト面での納得感も導入を後押しした。
導入後の成果
営業と製造をつなぎノンコア業務を自動化
JUST.DB導入により、見積作成から提示価格申請、売上計上までの工程をデータ連携できるようになり、転記や検算といったノンコア業務を削減。案件・顧客・売上情報をデータベースで一元管理することで、営業・製造が同じ情報をリアルタイムに共有できるようになった。また、月締めを待たずに状況を把握できる集計パネルも整備され、業務のスピードと精度が大きく向上している。
業務実態に合わないSFA導入で失敗を経験
エスアイエス・テクノサービスは、ITインフラ構築およびシステム運用を中心に事業を展開しており、銀行システムの運用や障害対応をはじめ、多くの企業のインフラ構築に携わってきた。
同社では案件や売上の情報を部門ごとにExcelで管理していたため、重複管理や更新の遅れが常態化していた。また、取引先情報や実績がまとまっておらず、継続したアクションプランを立てることも困難だった。
「営業も製造も同じ情報を見ているはずなのに、リアルタイムで共有できず、突然受注として計上されて混乱が発生することもありました」と、経営企画部の鈴木俊博氏は話す。
そのため2023年には営業部門を中心にSFA導入のトライアルを実施したが、「自社の営業の動き方が整理されていない状態でいくら高機能な専門ツールを入れても、業務にはなじまないと感じました」と、経営企画部の菱田康宏氏は振り返る。
営業プロセスの基礎が固まらないまま現場にツールだけ導入しても定着は困難と判断し、SFA導入はいったん白紙に戻された。
脱Excelと業務標準化を同時に進める
こうした課題を受け2024年から同社が目指したのは、脱Excelと業務標準化の同時実現、営業支援ツールを用いた業務自動化だ。これには、営業担当者が顧客対応や提案活動に時間を割ける環境を整えると同時に、顧客管理や案件管理をデータベース化することで全社共通のアクションプラン策定やPDCAを回せるようにする、という狙いがあった。
これらを実現するソリューションを展示会で探す中で、JUST.DBを知ったという。「ノーコードで柔軟に構築できること、金融機関レベルの高いセキュリティ要件を満たしつつ完全内製で開発・運用できることが決め手となりました」と菱田氏は述べる。
2名体制で進めたアジャイルな構築
導入決定後の構築は、菱田氏と鈴木氏の2名体制で進められた。2025年1月から環境構築を開始し、約3カ月間、アジャイル形式で開発を実施。現場の声を聞きながら必要な機能を形にしていった。構築過程では、データベース構成の考え方やフィールド制限、採番方法などで工夫が必要な場面もあったが、運用でカバーしながら前に進めていった。「ノーコード開発なので、営業や製造から出てくる要望をその場で整理してすぐ反映できました。このスピード感は内製だからこそ出せるものです」と鈴木氏は語る。
菱田氏はジャストシステムのテクニカルサポートについても高く評価する。「問い合わせへの回答が早く、必要に応じてWeb会議での説明やデモ対応を行ってくれたことで、理解を深めながら構築を進められました」
営業と製造がJUST.DBでつながり
業務プロセスを見直す動きも起こる
2025年7月の本番運用開始後、営業・製造の双方でJUST.DBの活用が進み、案件状況や承認状況をリアルタイムで把握できるようになった。Excelを開いて最新情報を確認する必要がなくなり、「常に最新の状態にしておかなければならない」という心理的負担も解消されている。「営業と製造が同じデータを見ながら話ができるようになったことで、口頭での確認や認識のずれは大きく減少しています」と鈴木氏は話す。
導入をきっかけに、営業・製造の双方で業務プロセスを見直す動きも生まれた。とくに製造部門からは「この切り口で分析できないか」「こんな切り分けができると助かる」といった要望が寄せられ、JUST.DB上での情報共有ややり取りも増えてきたという。「JUST.DBは、単なるSFAにとどまらず、業務改善を継続していくための共通基盤として、社内に定着しつつあります」(菱田氏)
現場の活用が情報共有と可視化の広がりへ
JUST.DBの導入により、案件情報や売上情報は一元管理され、部門をまたいだリアルタイムな情報共有が可能となった。菱田氏は「従来は月締め作業を行わなければ全体像を把握できませんでしたが、現在は集計パネルを活用することで、案件入力と同時に状況を確認できるようになっています」と笑顔を見せる。
また、営業日報や案件情報をJUST.DBで更新する運用が定着したことで、案件の背景や検討経緯が可視化され、営業活動のプロセスそのものを共有できるようになった。期限管理としてリマインド通知機能も追加され、次に営業担当が何をすればよいかが標準化された。これらにより、営業ノウハウが個人に依存せず、会社として蓄積されていく土台が整いつつある。
現在、JUST.DBは本社を中心に外部常駐先からのリモート接続も含め、5部門・62名が利用している。「導入初期は操作に関する質問も多かったですが、現在はTeams上で分かるメンバーが回答する形が定着し、社内で自律的に運用が回り始めています」(鈴木氏)
試算では、事務作業の削減効果は年間7,824時間に上る見込みだ。営業担当者が本来注力すべき顧客対応や提案活動に時間を割ける環境が整い、JUST.DBは業務改善を継続的に支える基盤として存在感を高めている。
エスアイエス・テクノサービス株式会社
経営企画部
鈴木 俊博 氏
エスアイエス・テクノサービス株式会社
経営企画部
菱田 康宏 氏