

導入事例

プリント加工事業専門の新会社としてシステム刷新
JUST.DBで受発注管理システムをスピーディーに構築
導入事例の概要
2025年3月、事業分割によるビジネス展開の加速を目指して、プリント加工を事業の核とするDEMO PRINTが動き出した。同社の設立に当たっては、新たな業務推進体制の整備に向けて、受発注管理システムの構築が急務となった。予算と開発スケジュールの厳しい制約の中、同社が選んだのは、ノーコード開発ソリューション「JUST.DB」だった。情報システム部門が自ら開発を手がけることで、ユーザーの要望を即時に反映できる柔軟なシステムを、約半年という短期間で実現。コストの大幅な削減と、変化に即応できるスピーディーな業務体制の確立に成功した。
導入前の背景
低コストかつ短期間で受発注管理システムを構築したい
事業分割による新会社としてのスタートに伴い、プリント加工事業に特化した独自の受発注管理システムをゼロベースで構築する必要が生じた。しかし、予算は限られ、開発に割ける時間もわずかであることから、低コストかつ短期間で必要な機能を備えたシステムを構築することが、事業を円滑に開始するための重要課題となっていた。
採用の理由
柔軟なデータ設計と社内開発が可能
比較検討の結果、既存のデータモデルを活かしつつ、リレーショナルデータベース構造を構築でき、複雑な業務要件にも対応できるJUST.DBを選定。情報システム部門のメンバーが直接開発に携われるため、外注コストを抑制し、ユーザーのニーズを迅速に反映できる点も高く評価された。
導入後の成果
スピード感ある開発と業務の効率化を実現
社内ミーティング中に、ユーザーの要望を聞きながらUIの調整やデータ処理の仕組みをその場で変更するなど、圧倒的なスピード感での開発が実現。ユーザーからの評判も良く、スムーズな業務移行とトレーニングコストの低減にも寄与した。今後は、外部の加工業者と連携して行う業務での活用など、より効率的な事業遂行への期待が持たれている。
プリント加工を主軸に事業を再構築
システムもゼロベースでの刷新が必要に
DEMO PRINT株式会社は大ロットから小ロットまで、受注生産型でTシャツプリント加工を手がける企業だ。2025年3月より、兄弟会社のTOMSがTシャツ本体の製造を担い、同社がプリント加工を行う分業体制をスタート。これにより、プリント加工を付加価値の源泉とした本格的なプリントTシャツ事業の展開が可能となった。日本国内でも最大規模のプリント加工工場を保有する同社では、他社製品を含めた幅広い商材にも対応する、より柔軟なプリントビジネスの推進に注力している。
事業分割の動きに伴い、プリント加工を担う新会社では、それまで共通で利用していた業務システムから離脱し、独自の受発注管理システムをゼロベースで構築する必要が生じた。特に受発注業務を自社で完結させるためのシステム整備は不可欠だったが、事業立ち上げ直後のキャッシュフローやリソースを考慮すると、予算と開発スケジュールには厳しい制約がかかる。情報システム部責任者の渡部健氏は「必要最低限の機能を、低コストかつ短期間で開発する必要がありました。フルスクラッチによる開発も検討したものの、コストや時間的制約を考慮すると現実的ではなく、かといって業務に合うパッケージも見当たらないというジレンマがありました」と振り返る。
柔軟なデータ設計と社内開発で
実質半年での導入を実現
コストと時間の制約をクリアするには、以前から設計していたデータモデルをそのまま活用でき、さらに情報システム部門のメンバーが直接開発に参画して外注費用を抑えられるソリューションが求められた。その結果、同社が選定したのがJUST.DBだった。
選定理由について渡部氏は「取り扱うデータ量に対応でき、複数の情報を柔軟に関連付けられるリレーショナル構造を構築できることが最大の決め手でした。当初は別の製品を試験運用していましたが、テーブル数の上限や連携の面で当社の要件を満たせなかったのです。そんな折、社内の別プロジェクトのメンバーからJUST.DBの情報を得て確認したところ、要件に完全に適合しており、採用を即決しました」と説明する。
導入プロジェクトは2024年6月にキックオフされ、12月にはシステム稼働と業務判定を実施。2025年1月に業務プレスタートし、3月に新業務が全面スタートする。実質半年のプロジェクトは高密度で進められた。
開発担当者の一人である親泊亜沙氏は「JUST.DBは、テーブル構造さえできていれば画面の変更はすぐに行えます。ユーザーと話しながらその場で修正できるため、開発の手戻りを最小限に抑えられました」と、その開発効率の高さを語る。
コスト10分の1、工期半減を実現
将来は外部との業務連携も視野に
JUST.DBの導入は、DEMO PRINTの円滑な事業開始に大きく貢献した。従来の開発プロセスでは、ユーザーからの要望は、情報システム部門を経由してベンダーに伝えられるのが一般的だった。開発に当たった長嶺海希氏は「JUST.DBなら、ユーザーとの社内ミーティング時にその場でUIの調整やデータ処理の仕組みの変更などを行えるので、開発効率が大幅に向上しました」と語る。
結果として、開発コストはスクラッチ開発と比較して約10分の1に収まり、スケジュールも半分以下に短縮された。「初期計画を段階的なスケジュールへと柔軟に再編できたのも、JUST.DBの開発自由度の高さのおかげです」(渡部氏)
ユーザーからも「視覚的で操作しやすい」「画面遷移がわかりやすい」という評価が得られ、とりわけ受発注担当者からの評価は非常に高いという。また、直感的な操作性は社内トレーニングコストの低減にも寄与している。
今後の展望として同社は、JUST.DBのスペース機能を活用した外部ユーザーとの業務連携を視野に入れている。プリント加工業務では、自社工場だけでなく外部の加工業者にも依頼を行うケースがあり、現在は一度情報を集約するワンクッションが必要となっているのだ。渡部氏は「JUST.DBのスペース機能を活用して加工依頼先と情報共有することで、発注・調達業務の負荷を軽減できるはずです。外部ユーザーとも業務を一体化し、業務のスピードをさらに向上させていきたいと考えています」と将来の抱負を語る。

DEMO PRINT株式会社
情報システム部 責任者
渡部 健 氏

DEMO PRINT株式会社
情報システム部
親泊 亜沙 氏

DEMO PRINT株式会社
情報システム部
長嶺 海希 氏