アンケート調査の作り方とは?
手順や質問項目の例、失敗しないコツを解説
マーケティングや業務改善において、顧客や従業員のリアルな声を収集する「アンケート調査」は欠かせない施策です。しかし、いざ作成しようとすると「どのような手順で作ればいいのか」「どんな質問項目を設定すれば使えるデータが集まるのか」と迷う方も多いのではないでしょうか。
本記事では、アンケート調査の作り方を手順に沿って解説するほか、そのまま使える質問項目・選択肢の具体例、失敗しないための「良い例・悪い例」の比較、回答率を高める依頼文のサンプルなどを網羅的に紹介します。初心者でも実践できるチェックリストも用意していますので、ぜひ実務にお役立てください。
| 目次 |
|---|
アンケート調査の作り方は「目的設計」から始める
アンケートの作成において最も重要なのは、具体的な作成作業に入る前の「目的設計」です。調査票設計における注意点をまずご紹介します。
アンケート調査とは、目的に沿って回答を集める調査方法
アンケート調査とは、市場のニーズや顧客の満足度などを把握するために、目的に沿った回答を集める手法です。定量的なデータを集めることで、感覚に頼らない客観的な事実に基づいた意思決定が可能になります。
作り方を間違えると、使えない調査結果になる
目的が曖昧なまま調査票を作成してしまうと、「質問がブレる」「集計後にどう分析していいかわからない」といった事態に陥り、実務に活かせないデータになってしまいます。
最初に「何を判断するための調査か」を決める
まずは「このアンケート結果を使って何を判断したいのか」を明確に定義しましょう。
具体例:「新商品のパッケージデザインAとB、どちらが20代女性の購買意欲を高めるかを判断するため」
このように、「対象者と判断軸」を具体的に設定することが、精度の高いアンケート調査を作成する第一歩となります。
アンケート調査を作成する手順
アンケート調査の作成は、一般的には以下の8つのステップで進行します。
1. 調査目的を決める
前述のとおり、何を明らかにし、どのような意思決定に活用するのかを明確にします。
2. 調査対象者を決める
誰に聞くべき調査なのかを定義します。性別、年代、居住地などの基本属性だけでなく、「過去1年以内に〇〇を購入した人」など、具体的な条件まで絞り込むことが重要です。
3. 調査方法と実施期間を決める
Webアンケート(ネットリサーチ)、紙、電話などの手法から最適なものを選びます。近年は、スピーディかつ低コストなネットリサーチが主流となっています。また、「いつまでにレポートが必要か」から逆算してスケジュールを立てます。
4. 質問項目を洗い出す
目的を達成するために必要な情報から逆算し、聞くべき質問をリストアップします。設問数が多すぎると、回答率が下がることもあるため「ついでにこれも聞きたい」という誘惑を抑え、本当に必要な項目だけに絞ることが重要です。
5. 質問形式を決める
単一回答や複数回答など、聞きたい内容に合わせて最適な質問形式を選択します。それぞれの設問形式の使い分けについては後述します。
6. 質問文と選択肢を作成する
回答者が誤解したり迷ったりせずスムーズに答えられるよう、シンプルでわかりやすい文章と選択肢を作成します。
7. 回答しやすい順番に設問を並べる
最初から複雑な質問をすると、アンケートから離脱しかねません。基本属性(性別・年齢など)の簡単な質問から入り、徐々に本題(満足度や理由など)へと進むような自然な流れを構築します。(これはインタビューなどでも同様です)
8. 配信前にテスト回答を行う
完成したアンケート画面でテスト回答を実施し、設問の矛盾やわかりにくい箇所がないかを最終確認します。Googleフォームなどを使用する場合は、回答結果がスプレッドシートに連携されているかなどのチェックも重要です。
アンケート調査の質問形式と使い分け
上述した通りアンケートの質問形式にはいくつかの種類があり、得たいデータに合わせて適切に使い分けることが大切です。
| 質問形式 | 特徴 | 向いているケース | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 単一回答 | 選択肢から1つだけ選ぶ | 最も重視する理由や満足度を聞く | 複数該当する内容には不向き |
| 複数回答 | 選択肢から複数選べる | 利用目的や情報収集経路を聞く | 選択肢が多すぎると迷いやすい、また回答がばらけやすい |
| 自由記述 | 文章で回答してもらう | 理由や不満、要望を深掘りする | 多用すると回答負荷が高くなり、離脱を誘発してしまう |
| マトリクス | 複数項目を同じ尺度で聞く | 満足度や重要度をまとめて聞く | 設問数が多いと離脱しやすい |
| 段階評価 (尺度評価) |
5段階・7段階などで評価する | 満足度や購入意向を数値化する | 尺度の意味を明確にする |
単一回答
選択肢の中から1つだけ選んでもらう形式です。「最も当てはまるものをお選びください」といった条件をつける場合に向いています。
複数回答
当てはまるものをすべて、あるいは「最大3つまで」など指定した数だけ選んでもらう形式です。
自由記述
テキストで自由に回答してもらう形式で、数値化しにくい定性的な理由や背景を深掘りするのに適しています。「現状への不満」などは自由回答でも比較的、回答を得やすいです。
マトリクス
表形式で、複数の項目に対して同じ選択肢(尺度)で回答を求める形式です。たとえば、マーケティング施策ごとの目標達成度合い、といったようなマトリクスなどが挙げられます。
段階評価
「非常に満足〜非常に不満」といった段階(尺度)で評価してもらう形式です。3段階や5段階などあり、「どちらでもない」という中庸な尺度を入れるかどうかなどは調査内容や目的によって調整します。
アンケート調査の質問項目の作り方
アンケートの目的を達成するためには、なるべく多くの人が離脱することなくスムーズに回答できることが理想です。実際に質問項目を作成する際のポイントを解説します。
目的から逆算して必要な質問だけを入れる
集計後に「このグラフを使ってどう判断するか」を想定し、分析に必要な質問のみに絞りましょう。どのような選択肢が選ばれやすいか、仮説を立てることも設問の重みづけに有効です。また、設問は結果を直接活用するものと、クロス集計に使用するもの、設問内分岐のために使用するものなど、役割を意識するとよいでしょう。
属性を聞く質問と本題の質問を分ける
性別や年齢といった属性確認パートと、調査のメインとなる本題パートを明確に分けることで、回答者の思考が整理され答えやすくなります。
1つの質問で1つのことだけを聞く
複数の要素を1つの質問に入れると、回答結果がブレてしまいます(ダブルバレル)。詳細は後述の「悪い例」をご参照ください。
回答者が答えやすい順番に並べる
「認知(知ったきっかけ)」→「行動(購入理由)」→「評価(満足度)」のように時系列に沿ったり、大枠から詳細へと掘り下げる順番にしたりと、自然な流れを作ります。
分析しやすい選択肢にする
集計後にグラフ化や比較がしやすいよう、選択肢の粒度を揃え、あらかじめ整理しておくことが重要です。たとえば、「商品を知ったきっかけ」を尋ねる際に、選択肢を「Webサイト」「展示会」「営業担当者からの紹介」「SNS広告」「その他」とすると、「Webサイト」は範囲が広い一方で、「SNS広告」は限定的であり、回答結果を比較しにくくなります。
この場合は、「検索エンジン」「Web広告」「SNS」「展示会・セミナー」「営業担当者からの案内」「知人・取引先からの紹介」「その他」のように、同程度の粒度で選択肢を設けると、どの接点が認知や検討につながっているのかを分析しやすくなります。
アンケート調査で使える質問項目の例
実務ですぐに活用できるよう、具体的な選択肢を交えた質問例を紹介します。これらをコピー&ペーストして自社向けに調整してご活用ください。
顧客満足度調査の質問例
質問:「当社のサービス全体についての満足度を教えてください(単一回答)」
選択肢の例:
- 非常に満足
- やや満足
- どちらともいえない
- やや不満
- 非常に不満
商品・サービス改善の質問例
質問:「改善してほしい点があれば教えてください(複数回答・自由記述)」
選択肢の例:
- 価格を安くしてほしい
- 新機能を追加してほしい
- 使い勝手を良くしてほしい
- サポート体制を充実させてほしい
- その他(自由に記入: )
購入理由・利用理由を聞く質問例
質問:「このサービスを利用しようと思った理由を教えてください(複数回答)」
選択肢の例:
- 価格が手頃だったから
- 機能が充実しているから
- デザインが好みだったから
- サポートが手厚いから
- 知人・友人の勧めがあったから
- その他
認知経路を聞く質問例
質問:「この商品を知ったきっかけを教えてください(複数回答)」
選択肢の例:
- テレビCM
- Web広告
- SNS(X、Instagramなど)
- 検索エンジン(Google、Yahoo!など)
- 家族や知人の紹介
- その他
自由記述で意見を集める質問例
質問:「満足している点を具体的に教えてください(自由記述)」
選択肢の例:
(テキスト入力欄を設け、回答者に自由に文章を記述してもらいます)
アンケート調査で避けるべき質問の作り方
いざ調査を行ったはいいものの、データとして使えないという事態を避けるために、避けるべき「悪い例」と「良い例」を比較して解説します。
回答を誘導する質問
- ×悪い例:「大人気の〇〇ですが、あなたも使ってみたいですか?」
- ○良い例:「新商品〇〇の利用意向を教えてください」
特定の回答を促すような誘導的な表現は避け、中立的な文章を心がけましょう。
1つの設問で複数のことを聞く質問
- ×悪い例:価格とデザインに満足していますか?」
-
○良い例:Q1「価格に満足していますか?」
Q2「デザインに満足していますか?」
いわゆるダブルバレル質問と呼ばれるものです。この場合、価格は満足しているけれどデザインには満足していない、というケースも考えられるため、必ず要素を分けて別々に聞く必要があります。
選択肢に漏れや重複がある質問
- ×悪い例:「10〜20代」「20〜30代」のように選択肢が被っている。「その他」がない。
- ○良い例:「10代」「20代」「30代」のように独立させ、最後に「その他」を設ける。選択肢に不備があると、正確な回答が得られません。
専門用語やあいまいな表現を使った質問
- ×悪い例:「当社のUI/UXについてどう思いますか?」
- ○良い例:「当社のWebサイトの使いやすさについてどう思いますか?」
難しい専門用語をなるべく避け、 回答者全員が理解できる一般的な言葉を使うことが鉄則です。また定義があいまいな用語については、「本調査では○○と定義します」といったように定義を限定することも重要です。
回答者の負担が大きい質問
自由記述やマトリクスが多すぎたり、読むのに時間がかかったりする長文の質問は、離脱の原因となるため避けましょう。
アンケート調査の回答率を上げるコツ
せっかく渾身の調査票を作っても、回答が集まらなければ意味がありません。
回答にかかる時間を短くする
回答の所要時間をなるべく短く(目安として3〜5分以内)することが最も重要です。
質問数を増やしすぎない
設問数が増えるほど離脱率が高まるため、5〜15問程度の必要最小限に留めます。ただし、ネットリサーチなどは設問数の多いアンケートに回答するとインセンティブを多く付与するなど、システムとして回答率を高める仕掛けがなされているケースもあります。
回答しやすい画面・フォームにする
スマートフォンからの回答も考慮し、見やすくスクロールやタップが操作しやすい画面設計を意識します。アンケートツールの中には、実際の回答画面をプレビューで確認できるものも多くあります。
依頼文で目的と所要時間を伝える
「何のためのアンケートか」「回答に何分くらいかかるか」を事前に明記することで、心理的なハードルが下がり協力しやすくなります。
必要に応じて謝礼やインセンティブを用意する
ポイントやクーポンなどのインセンティブを付与することで、回答率の大幅な向上が期待できます。とくに一般的なアンケートモニター以外にアンケートを配信する場合は、回答率が10%を下回るなど低くなるケースもあります。Amazonギフト券などを配布するなどして、回答してもらうための工夫をしましょう。
アンケート調査を依頼するときの例文
メールやWebフォームなどを使用しアンケートを依頼する際、そのままコピー&ペーストして活用できる例文サンプルを紹介します。
メールで依頼する場合の例文
件名:【ご協力のお願い】〇〇に関するアンケート調査(所要時間:約3分)
本文:
平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。この度、弊社ではサービスの品質向上のため、皆様のご意見をお伺いするアンケートを実施することとなりました。つきましては、以下のURLよりアンケートへのご協力をお願い申し上げます。
■調査目的:新サービスの機能改善のため
■所要時間:約3分(全7問)
■回答期限:202X年X月X日(金)まで
■アンケートURL:[URLを記載]
ご多忙の折に恐縮ですが、何卒ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。
Webフォームやポップアップで依頼する場合の例文
「サービスの向上のため、1分で終わる簡単なアンケートにご協力ください。ご回答いただいた方には100ポイントをプレゼントいたします!」
社内アンケートで依頼する場合の例文
件名:【全社員対象】社内環境改善に向けた意見調査(匿名可)
本文:
全社員を対象に、より働きやすい職場環境の構築を目的としたアンケートを実施します。本アンケートは匿名での回答が可能です。忌憚のないご意見をお寄せください。(所要時間目安:5分)[URLを記載]
アンケート作成に使えるツール
アンケートを作成・実施するためのツールには、無料で利用しやすいフォーム作成ツールから、外部モニターへの配信や専門的な分析まで対応できるサービスまで、さまざまな種類があります。調査の目的や対象者、必要な回答数、分析の難易度に応じて適切なツールを選ぶことが重要です。
Googleフォーム
Googleフォームは、無料で手軽にアンケートを作成できるツールです。顧客満足度調査やセミナー後のアンケート、社内アンケートなど、回答を依頼できる相手がいる場合に適しています。
回答結果は自動でグラフ表示され、Googleスプレッドシートにも出力できます。ただし、外部の回答者を集める機能はなく、属性別の比較やクロス集計など本格的な分析を行う場合は、別途集計作業が必要です。
Microsoft Forms
Microsoft Formsは、アンケートや投票を簡単に作成できるツールです。回答結果をExcelで扱えるため、Microsoft 365を利用している企業では、社内調査や取引先向けの簡易アンケートに使いやすいでしょう。
一方で、Googleフォームと同様に、外部モニターへの配信や専門的な分析を目的としたツールではありません。限られた対象者への簡易的な調査に向いています
セルフ型ネットリサーチツール
セルフ型ネットリサーチツールは、Web上でアンケートを作成し、外部のモニターに配信して回答を集められるサービスです。年齢や性別、職業などの条件を指定し、自社に顧客リストがなくても調査を実施できます。
短期間で一定数の回答を集めやすい一方、設問や選択肢の設計は基本的に自社で行います。調査目的が明確で、設問設計を自社で進められる場合に適しています。
調査会社・リサーチ会社のサポート
設問設計や対象者の選定、集計・分析まで専門家の支援を受けたい場合は、調査会社・リサーチ会社に依頼する方法があります。
新商品の需要調査や、調査結果をホワイトペーパー・広報資料に活用する場合など、結果の信頼性や見せ方が重要な調査に適しています。セルフ型ツールより費用や期間はかかりますが、調査に不慣れな場合や、成果物の品質を重視する場合に向いています。
アンケート調査票を作るときのチェックリスト
配信前に確認すべき項目をまとめました。実際にアンケートを作成する際の最終確認としてご活用ください。
| チェック項目 | 確認内容 |
|---|---|
| 目的は明確か | 調査結果を何に使うか決まっているか |
| 対象者は適切か | 誰に聞くべき調査か定義できているか |
| 質問数は多すぎないか | 回答者の負担が大きくないか(5〜15問程度か) |
| 質問文はわかりやすいか | 誘導表現や専門用語、ダブルバレル質問がないか |
| 選択肢に漏れ・重複はないか | 回答者が選びやすい状態になっているか(「その他」はあるか) |
| 分析しやすい設計か | 集計後にグラフ化して判断しやすい形式になっているか |
| テスト回答をしたか | スマートフォン・PCで回答途中で迷う箇所がないか |
Fastaskなら調査票作成からアンケート配信まで進めやすい
アンケート調査は自分でも作れますが、設問設計を誤ると使える結果になりません。そこで役立つのがセルフ型ネットリサーチ「Fastask」です。
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リサーチャーチェックで調査票の品質を高めやすい
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アンケート調査の作り方に関するよくある質問
アンケートの作り方に関して、よくある疑問にお答えします。
アンケート作成の手順は?
目的設計から始まり、対象者の選定、質問項目の洗い出し、質問文の作成、そしてテスト回答という流れで進めます。
アンケート調査の質問数は何問くらいがよいですか?
目的によりますが、多すぎると回答者の負担になるため、一般的には5〜15問程度に収めるのが理想的です。
アンケート調査票はGoogleフォームでも作れますか?
はい、可能です。自社会員向けや社内の簡単な調査などであれば無料で実施できます。
アンケート調査の結果はどのようにグラフ化すればよいですか?
単純集計やクロス集計を行い、目的や質問形式に応じて円グラフや棒グラフにまとめます。Fastaskのようなツールであれば、AIが自動でレポートを作成してくれます。
卒論や大学のアンケート調査でも同じ作り方でよいですか?
基本的な作り方は同じです。目的を明確にし、対象者を適切に設定すること、そして誘導尋問を避けることが重要となります。
まとめ
アンケート調査は、フォームを作って回答を集めれば成果が得られるものではありません。「何を判断するための調査なのか」を明確にしたうえで、適切な対象者を選び、回答しやすく分析にも活かしやすい設問を設計することが重要です。
たとえば、選択肢の粒度が揃っていなければ結果を比較しにくくなり、質問文が誘導的であれば回答の信頼性が損なわれます。また、自社顧客や社内向けの簡易アンケートであれば無料のフォーム作成ツールでも実施できますが、新商品の需要調査や市場ニーズの把握など、外部の対象者から一定数の回答を集め、意思決定に活用したい場合は、配信対象の確保や調査票の品質も重要になります。
セルフ型ネットリサーチ「Fastask」なら、外部モニターにアンケートを配信できるだけでなく、リサーチャーによる調査票チェックを受けながら調査を進められます。設問設計に不安がある場合や、調査結果を商品開発・マーケティング施策・レポート作成などに活用したい場合は、Fastaskの活用をご検討ください。
