中学・高校の実践事例
教科の理解を深める問題集作り プレゼンでより良い作品を目指す
〜オリジナル問題集にチャレンジして1年間を締めくくる〜 富山県・氷見市立南部中学校
付せんを使って意見交換 作品をじっくり見直す機会を設ける
3人のプレゼンテーションが終わり、瀬戸先生が
「今から、みんなが作った問題集をお互いに体験してもらいます。問題の内容やコンピュータ技術を生かしたよい点、もっとこうしたらよいというアドバイスなどを付せんに記入して、パソコンに貼り付けてください」
と、指示する。
子どもたちは、自由に席を移動しながらパソコンに向かう。いきいきとした表情で問題集に取り組み、付せんに感想を書き込んでいる。
「答えのページに拍手の効果音が入れてあって、正解したときにうれしい気分になる」
「3択問題になっているので、答えやすい」 「途中に休憩のページがあって、おもしろい」
「テレビ番組のような設定で、楽しく問題に取り組める」
など、作品の良さ、おもしろかったところや、
「イラストが多すぎて見にくい」 「ページが変わるのが早すぎて、考える時間が足りない」
といったアドバイスなど、多くの意見が出された。
みんながパソコンを一周した頃合いを見計らって、瀬戸先生が再び注目を促す。
「パソコンにはたくさんの意見が貼り付けてあると思います。よく読んで、自分の作品を見直しましょう。アドバイスを参考にして、作品に磨きをかけてください」
これを聞いて、子どもたちは、アドバイスを参考に修正を加えたり、ほかの作品を体験していいなと思ったところを真似してみるなどの作業を始めた。
「ねえ、音を入れるにはどうすればいいの?」 「グラフはどうやって作るの?」
子ども同士で教え合いながら授業は進み、終了を告げるチャイムが鳴っても、子どもたちはなかなかパソコンから離れない。
「明日も時間をとって、この続きをやります」と、瀬戸先生が言うと、 「絶対だよ!」と元気な声が返ってきた。
まとめ学習のなかで表現力を育成 パソコンが引き出す子どもたちの力
オリジナル問題集は、いずれも個性あふれる作品に仕上がった。授業を担当した瀬戸先生は、
「子どもたちは初めて『はっぴょう名人Teen's』を使ったのですが、自分で機能を探りながら友だち同士で教え合って、作業を進めることができました。ソフトに備わっている豊富なサンプルも、意欲的に制作に取り組む大きな要因だったと思います」 と言う。
「1年間の理科のまとめ学習と、作品づくりを通して表現力を身に付けるというのが、今回のねらいです。スライドショーを使ったプレゼンテーションにも初めて挑戦しました」
プレゼンテーションを前提にすることで、子どもたちは“誰が見ても分かりやすい作品づくり”を強く意識することができたのだ。
「分かりやすくするためには全体の構成、文字の大きさ、写真や図を使うなど、工夫が必要だということを、制作する前に伝えました。なかには、実験の流れをビデオで撮影し、作品の中に取り込みたいという意見もあって、子どもたちが自ら創造性を高めていくのを感じました」
さらに、付せんを使って意見を交換する機会を設けたことに関しては、
「コミュニケーションを通して、子どもたちが互いに創造性の高いコンピュータ技術などを教え合い、コンピュータ・リテラシーを高めてくれればと思います。子どもたち一人一人がコンピュータを使うよさを感じて、その使い方やおもしろさを友達に教える“パソコン先生”になってほしいです」
と先生。子どもたちが自分自身の成長を感じながら、パソコンに接していってほしいと願っている。
子どもたちの作品は、すべてエプソンのカラーレーザープリンタ『LP-9500C』でプリントアウトしてパソコン室に掲示されている。
「ほかのクラスの子どもたちが見て、『私たちもやってみたい』と言いに来るんですよ。作品を見た子どもたちや、先生方にいい刺激になってくれればうれしいですね」
と、瀬戸先生は笑顔で語ってくれた。
魚ブランド“氷見ブリ”の天然の生け簀ともいわれる富山湾のほど近くに建ち、校舎からは立山連峰を一望することができる。校内には空き缶や牛乳パックを回収する、リサイクルコーナーを設置。マーチングバンドは毎年全国大会に出場し数々の賞を受賞。ハンドボール、野球等の部活動も盛ん。生徒数320名。

