BI導入時によくある失敗

【 導入実話 】BIツールを自分で導入してみました日記。事件は現場で起きている!

前回のコラムでは、BIツールを導入する時にありがちな失敗と、その解消法を紹介しています。

参考コラム:【 導入前に必読 】BIツール導入時の典型的な5つの失敗パターンを避けるために必要なこと

結局一番大切なのは、<<情報システム部門を単なる「コンピュータとかハードの技術に詳しい部門」として考えず、「一緒にビジネスの課題を解決していくパートナー」として見ていくこと>>だと書きました。

今回はその結論に至った「自分がBIツールを導入した経験」をご紹介します。実際に、今までExcelを使い行っていたデータ分析をBIツールに移した記録です。情シスはじめ各部署に相談し、導入までは少し手間がかかりましたが、いやー、ラクになりましたよ。

で、テンションが上がってしまい、内容的には、「ここまで書いちゃって大丈夫?」と自分でも思ったりします。直属の上司はノリノリなのでいいんですが、他からツッコまれそうな気も……。まぁマズかったら削除ということで。もしコラム一覧から消えていたらお察しください。

1.【BIツール導入の背景】体験しないと実感ある原稿が書けない!

★登場人物★

ナツミ

ナツミ

Actionista!ライター。マーケター向けオウンドメディア「マーケティング・リサーチ・キャンプ」も担当している。というか私です

マコト

マコト

Fastaskのマーケティング担当でナツミの先輩。エクセル職人

シゲオ

シゲオ

情報システム部の先輩。カオス嫌いのキッチリ好き

タケオ

タケオ

開発部の先輩。同じ会社とは思えないラフな服装

タカシ

タカシ

営業サポートの同期。体育会系で先輩方にかわいがられるタイプ


私は、この「Actionista!(アクショニスタ)」のライター以外に、最新マーケティング情報満載で、スマホやSNSの利用動向調査データがズラリと揃い、(以下略)というマーケター向けのオウンドメディア「マーケティング・リサーチ・キャンプ(MRC)」も担当しています。というか、そちらがもともとの担当でした。

エビデンスを求められる職場なので、MRCで獲得したリード(見込み客)がどれくらい「売上」に結びついているのか、それはどんなコンテンツなのか、ということを以前はエクセルで集計していたんです。それが、「アクショニスタ」も担当することになって、まず自分でBIツールを導入してみようと思ったんです。

今回のコラムはそのときの実録です。

2.【マーケ担当に報告】エクセル職人から追加の依頼が!

MRCは「Fastask(ファストアスク)」というネットリサーチのサービスをサポートするオウンドメディアで、MRCから「Fastask」へと送客するという関係です。

なのでまず、「Fastask」のマーケティング担当であるマコト先輩のところへ相談に行きました。エクセルでわからないことがあったときに頼りになるエクセル職人でもあります。

ナツミ

ナツミ

「先輩、MRC経由で獲得したリードの受注状況管理を、エクセルから卒業したいんですよ」


マコト

マコト

「なんだ急に。エクセルの世界は深いぞ、卒業なんてないぞ」


ナツミ

ナツミ

BIツールを入れるんです。そのほうが全然ラクらしいですよ」


マコト

マコト

「なっ(怒りに声が詰まる)……」


ナツミ

ナツミ

「まぁエクセルはそもそも表計算ソフトですしね」


マコト

マコト

「なんてことを言う! オレが毎月出してる集計表を知ってるだろう。大量のデータをシートにコピペするだけで、必要なKPIが一目瞭然なんだぞ!」


ナツミ

ナツミ

「知ってますよ。エクセル芸術と言われてます」


マコト

マコト

「そうだろう、これがBIにできるのか?どうせならこの報告書もBIツールでできるかどうか試してみてくれよ。それで勝負しようじゃないか。」

「勝ち負けの問題じゃないんだけどなぁ・・・」と思いながら席に戻ると、先輩からのメールが届いていた。「Fastask」でのデータ集計の課題です。言うまでもないですが、エクセルに入力されています。

--Fastaskの課題--

  • Fastaskでは「顧客管理」や「案件管理」をそれぞれデータベースで管理している。
  • 一週間ごとに営業サポートがそこから必要なデータを「Excel」で集計している。
    内容は、週次の売上、成約件数、提供リード件数など。
    それらの作業を効率化し、また「デイリー」でも数字を確認したい
  • さらに、顧客の「LTV」や「リピート率」なども、今は都度「Excel」で計算しているので自動化したいのでよろしく

なんだかすごくたくさんあるんですけど……。できるのかなぁ。

3.【情シスと打合せ】隠れたデータの存在が判明!

とりあえず一度、情報システム部に相談してみようとシゲオ先輩に電話してみる。

ナツミ

ナツミ

「先輩、相談があるんです」


シゲオ

シゲオ

冷蔵庫じゃないよね?」


ナツミ

ナツミ

「はっ??」


シゲオ

シゲオ

「営業部から冷蔵庫の調子が悪いって電話かかってきたんだよ。冷蔵庫って情報システムじゃないよね」


ナツミ

ナツミ

「ほっとけばいいですよ」


シゲオ

シゲオ

「いや、もう直してきた」

ということで、シゲオ先輩からは、「とにかく打合せの前に、やりたいことを最初にしっかり整理しておいて」とアドバイスがあった。「設計段階に入ると、納期とかコストとか社内事情でできることできないことが出てきて、要件が揺れ動くんだよ。そうすると結局、箱はできたけど、やりたいことはできないまま、という例も多いんだよね」とのこと。

わかりました、先輩。私は手書きでメモして打合せに臨みました。

★BIツールで行いたいこと★

  • 顧客ごとの年別・月別での売上と、案件数・担当者とのクロス集計
  • 1企業あたりの年間平均売上
  • 担当者ごとの年別、月別、週別、売上、案件数などなど
  • これらの集計を効率化しウィークリーだけでなくデイリーでも分析したい。

マーケティング担当のマコト先輩と、開発でBIツールである「Actionista!(アクショニスタ)」を担当しているタケオ先輩にも同席してもらって、情シスのシゲオ先輩と打合せ。BIツールでやりたいことを説明しました。と、タケオ先輩がポツリと言いました。

タケオ

タケオ

「でも、顧客管理と案件管理以外のデータベースもあるみたいだよ。システムから毎日売上情報のCSVがはき出されて、それを営業サポートがExcelで集計しているらしいから」


シゲオ

シゲオ

「カオス……」


タケオ

タケオ

「チェケラッ」

打ち合わせ

結局、私は営業サポートに確認して、もう一度要件を整理するということになりました。

シゲオ

シゲオ

「要件整理は、一度やりたいことを出し切った後で、減らすといいよ。ダッシュボードのイメージを描くと、自分にとって何が優先順位が高いかわかってくると思う

4.【営業サポートと打合せ】なぞの「部長Excel」

営業サポートには、同期のタカシくんがいて、気軽に聞けます。

ナツミ

ナツミ

「なんで営業はわざわざシステムからCSV吐き出しでデータ取ってるのよ」


タカシ

タカシ

「それな、毎日の売上データはシステムに入ってんだけど、担当別とかエリア別とか顧客別とかの集計がシステムでは見られないのよ」


ナツミ

ナツミ

「そうなんだ」


タカシ

タカシ

「だからCSVでもらって、昨対比とか推移なんかはエクセルで手集計してるよ」


ナツミ

ナツミ

「営業ってもっとどんぶり勘定なのかと思ってた」


タカシ

タカシ

「なんといってもウチは部長が自分で『部長Excelシート』をつくって数字管理してるからね。急に別軸のデータ集計を頼まれたりするし。」


ナツミ

ナツミ

「なにそれ、自動化しようよ。協力するよ」


タカシ

タカシ

「いや、『部長Excelシート』はブラックボックスになってて、リピート率とか、部長が独自の指標で計算してるみたい。そのへんは門外不出だから」


ナツミ

ナツミ

「リピート率って、既存顧客のうち今月発注客÷総顧客じゃだめなの?」


タカシ

タカシ

「いや、部長独自の計算式があるみたい」


ナツミ

ナツミ

「こだわりラーメン店の秘伝のたれみたいな感じ?」


タカシ

タカシ

「いや、一子相伝の必殺拳的な感じ」

打ち合わせ

検討した結果、「指標の定義」を過去にさかのぼって変更するとなるとちょっと大がかりなので、今回は「部長Excelシート」については「取り扱い保留」にして、他の集計業務と分析の自動化を主軸に設計を進めることにしました

5.【マーケ担当と打合せ】ダッシュボードの絵でイメージを共有

それからもう一度、マーケ担当のマコト先輩と打合せしました。

ナツミ

ナツミ

「営業はなかなか完全にBI化するのは難しそうです。『部長Excelシート』がすべてを握ってるらしいですよ」


マコト

マコト

「部長はあのシートを自分の子どものように大切に育てておられるからなぁ」


ナツミ

ナツミ

「なんですか、そのファンタジーな話は」


マコト

マコト

「お前は今、自分のBIツールのことしか目に入ってないけど、会社全体で見て、効率だけでは語れない部分があるんだよ」

エクセル信者の先輩を横目に、私はBIツールのホーム画面とも言える「ダッシュボード」のイメージを描いていきました。

ナツミ

ナツミ

「やっぱり変化はグラフで見たいんですよね」


マコト

マコト

「お前な、表の方がグラフよりたくさん数字が並ぶからロングレンジでの変化が見やすいんだぞ」


ナツミ

ナツミ

「なんだかプログラムでも見ているみたいで、入ってこないんですよ」


マコト

マコト

「見慣れてくるとな、注目すべき数字が浮いてくるんだ」


ナツミ

ナツミ

「そんなの先輩だけです!」

確かに情シスのシゲオ先輩が言うように、箇条書きのメモをダッシュボードのイメージにしていくことで、どれを優先させ、どれを除くか、頭が整理されてきました。マコト先輩もグラフのスペースを少し小さくすることで、渋々納得してくれました。

こんなイラストシートです。

ダッシュボードのイメージ  
マコト

マコト

「このシート、エクセルでつくって後で送るよ」


ナツミ

ナツミ

「いえ、けっこうです」

6.【情シスと打合せ】キューブ設計もお任せできた!

必要なデータと、求めるアウトプットが明確になったところで、再度、情報システム部門のシゲオ先輩に相談しました。情シスのオフィスは、どこの国かと思うような専門用語が飛び交い、プログラマーの独り言率も高いので敬遠していましたが、積極的に関わると強い味方です。

さっそくダッシュボードのイラストを元に相談します。

シゲオ

シゲオ

「よくここまで絞れたね。普通はあれもこれも入れたくなって、それぞれが小さくて見にくくなったりするもんだからね」


ナツミ

ナツミ

「これでも整理しきれなくて、上のタブがこんなに多くなっちゃいました」


シゲオ

シゲオ

「まぁでも、BIツールの良いところは、Excelに比べてフォーマットを改善しやすいところだからね。データ自体はデータベースに保管してあって、BIはその計算と表示のルールを設定するアプリケーションだからね。データをコピペしたりせずに簡単に変えていけるよ」


ナツミ

ナツミ

「それは助かります。いろんな部署に見せると、絶対変更とか追加の依頼が来ますから」

ということで、情シスがサーバー手配とBIツールのインストールを、開発がキューブ(※)設計、ダッシュボード設定までやってくれることに。

※ナツミの用語解説 「キューブ」
ルービックキューブってご存じでしょうか。それをイメージしていただくとわかりやすいのですが、データを小分けにして格納しておく形式のことです。各区画のデータを切り出したり、隣り合う区画を変更したりしやすい、後利用がしやすい特徴があります。BIツールでは導入時にキューブを設計し、データ格納する作業が必要になります。ただ、一度キューブにしておくと、データ更新されても、ダッシュボード等には自動で反映されます。
「キューブ」  
ナツミ

ナツミ

「いいんですか、キューブを自分でつくるのは気が重かったんですが」


シゲオ

シゲオ

「ナツミちゃんでももちろんできるけど、ここまで整理してくれたし、後はウチと開発で担当するよ」


ナツミ

ナツミ

「ありがとうございます。さすが情シス、冷蔵庫からBIまで」


シゲオ

シゲオ

「いやいや、冷蔵庫は情報システムじゃないから」

7.【完成!】わかりやすくなったね!とお褒めの言葉も

最初に導入を決めてから、ここまでで約2週間。結構時間がかかった気がしますが、ようやく完成が見えてきました。

と、感慨にふけっていたら、ここからは早かった。翌日にはサーバーインストール、キューブ作成まで完了、その翌日にはダッシュボードの調整が完了。思い立った日から3週間経たずに完成しました!

Actionista!画面

さぁ、いよいよ私の「Actionista!」ライフがスタートです!!


<後日談>

ちなみに今までエクセルで毎日数十分かかっていた集計作業はゼロになりました。BIツールが勝手にやってくれています。コピペミスもないし、「グラフになってわかりやすくなったよ」と他部署の方から声をかけられることも多いです。マコト先輩はまだ「エクセルの表がー」と言ってますが、毎日ダッシュボードをしげしげと見ているのを私は知ってます。

みなさんもぜひ、BIツール導入でデータを効率的に、そして効果的にご活用ください。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

なお、この「BIトレンド」ではBIツールの成功事例を無料で提供していますので、そちらも参考にしてください。「マンガでわかるActionista!」もご用意していますので、ぜひご覧ください。

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WRITER : ナツミ
今年から新たに担当することになった超文系ライター。「誰でも簡単に」分析ができる「Actionista!」と大型バイクをこよなく愛する。 ビジネス・インテリジェンスについては現在猛勉強中。最近は「ドリルダウン」にハマっていて、やたらと会議で使いたがる。

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