メディアとのつきあい方学習

メディアとのつきあい方学習実践研究会

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第6回メディアとのつきあい方学習セミナー この日、最高33度の気温の中、全国から60名あまりの参加者を迎え行われた第6回「メディつき」セミナー。熱気あふれるセミナーの模様を、ダイジェストでお伝えします。
●日時:2007年8月5日(日) 13:00〜17:30
●会場:ジャストシステム東京支社 カンファレンスルーム
●主催:メディアとのつきあい方学習実践研究会
●協力:株式会社ジャストシステム
●協賛:エプソン販売株式会社、株式会社リコー
開会の挨拶
メディアとのつきあい方学習実践研究会 代表 高橋伸明 先生
高橋伸明 先生

セミナーは、高橋伸明先生のあいさつで幕を開けた。

高橋先生によると、メディつきセミナーはリピーターが多いのが特 徴だが、今回の参加者の半数は初参加の先生とのこと。また、首都圏に限らず、岡山や静岡など遠方からの参加者もたくさん来場しており、メディつきの広がりを感じさせる、勢いのあるスタートとなった。

対談「プロの送り手はどうやって番組に意図を込めるか」
(株)NHKエデュケーショナル 教育部 エグゼクティブプロデューサー  桑山裕明 氏
聞き手: 独立行政法人メディア教育開発センター 准教授  堀田龍也 先生

まずは今回のメインテーマである、プロの送り手からのお話。

はじめに、桑山氏自身が制作した教育番組の一部を、会場全員で視聴。
「わかる授業のためのICT活用講座 第1回:大きく見せよう」という、前週にオンエアされたば かりの番組。先生方からの関心も高く、「これ見た見た!」という声や、食い入るように眺める 人の姿も。

桑山裕明 氏

視聴後に桑山氏は、この5分間の映像構成について解説。 番組の中のいくつかのシーンを例にとり、「こんな考えでこの映像を入れた」と説明していく。

そして、「マスメディアはすべてを伝えられるわけではない。 たくさんの真実の中から、伝えることを厳選してねらいを定めて いく。そういう点で番組作りと授業作りは似ているのではない か。」と、考えを述べた。

最新の製品紹介
エプソン販売(株) システム販売推進課     杉本 文 様
(株)リコー 販売事業本部 GJ販売推進課   中村泰久 様、清沢成年 様
(株)ジャストシステム 法人ビジネス部      橋本亜希子

続いて協賛各社から、メディつきの学習に最適な機器やソフトウェアが紹介された。

エプソン販売
▲エプソン販売:黒板にも投影できる、教室利用に最適なプロジェクタを紹介。
リコー
▲リコー:低コストでフルカラー高速両面印刷ができる、GELJETプリンタを実演。
ジャストシステム
▲ジャストシステム:ジャストジャンプ3@フレンドの情報モラル教材から、教員向け著作権教材をクイズ形式で紹介。
ワークショップ「マスメディアを題材に授業を作ろう」
授業者: 奥州市立水沢小学校 佐藤正寿 先生
ファシリテーター: 岡山県総合教育センター 高橋伸明 先生ほか

ここからグループが一丸となって作業するワークショップの始まり。

前半は模擬授業2つと、それを分析する作業という構成。会場の先生たちは児童・生徒になったつもりで模擬授業に参加する。

1つめの模擬授業は、「コマーシャルのしくみ」。
実際に放送されている洗剤のCMを見て、「実際にはありえないだろうと思うことは?」「画面の中で印象的な色は?」などの質問を通して、あらためて送り手の意図に気づかせる授業である。

1つめの模擬授業は、「コマーシャルのしくみ」。

2つめの模擬授業は、「違う表現はなぜ? 新聞記事を読み解く」。
ある高校野球の試合結果を報道した新聞記事を2種類用意。勝ったチームの地元で読まれる地方版と、負けたチームの地元の地方版では、見出しや写真が大きく違っていることを比較。
新聞でも、読み手を意識した記事づくりがなされていることを実感する授業であった。

2つめの模擬授業は、「違う表現はなぜ? 新聞記事を読み解く」。

2つの模擬授業を体験して、ここから参加者は模擬授業に込められた「ねらい」を読み解いていく。読み取るのは、「何を教える授業だったのか」「それを教えるために、授業者はどんな工夫をしていたのか」という2点。

気づいたことを個人ごとに付せん紙に書き出し、グループで集約・分析していく。

気づいたことを個人ごとに付せん紙に書き出し、グループで集約・分析していく。
それぞれの作業に「20秒で」「2分で」といった指示が飛び、その都度かなりのスピードが要求される。 参加者全員、脳みそはフル回転。

さらに、この2つの模擬授業を分析した結果をさらに解析し、2つの共通点を探るという作業に入る。いかにも大げさな表現がありそうな【CM】という題材と、公平中立・事実を述べていそうな【新聞記事】という題材。一見、全く違う方向性の題材を取り扱った2つの模擬授業から、「共通点=授業のねらい」をあぶりだしていくのがこのワークショップの面白さだろう。

ワークショップ後半は、前半の模擬授業を受けて、グループごとに「マスメディアを題材とした授業案」を考える。制限時間はたったの13分(!)。しかも、ここまでに気づいた「授業者の工夫点」を盛り込めるとなおよい、というさりげない縛りつき。

グループごとに「マスメディアを題材とした授業案」を考える。
活発な話し合いのうちにできあがった授業案

活発な話し合いのうちにできあがった授業案では、小学5年社会科という設定のグループが多かったが、なかには家庭科や道徳、国語、中学2年総合で取り組む案も見られた。「教科の中でメディつき実践」という考え方が浸透してきたことが伺えるワークショップとなった。

講演「送り手の意図に気づく力を育てる意味」
独立行政法人メディア教育開発センター 准教授 堀田龍也 先生

最後に、セミナーを総括して堀田先生から講演。講演とはいっても、ワイヤレスマウスを駆使し、さまざまな写真・プレゼン画面を映し出して、参加者と直接やりとりしながら進めていくインタラクティブなもの。

堀田先生は具体的な例をいくつか挙げ、私たちとメディアの関わりについて解き明かしていく。

堀田先生は具体的な例をいくつか挙げ、私たちとメディアの関わりについて解き明かしていく。
たとえば、行ったことのない海外の観光地の写真を見ても大体どの国なのかわかるのは、私たちがメディア経由で得た情報を、知識として活用しているから。現代に生きる私たちの知識や生活は、すでにメディアと切り離せないものであり、メディアの特性を知って、メディアとのつきあい方について考えてほしいと語った。

その上で、おさえたいメディアの特性を8つに整理し、「普段、学校できちんと教えられていま すか?」と参加者に問いかけた。

おさえたいメディアの特性を8つに整理
「番組づくり」と「授業づくり」と「研修づくり」

最後に、対談・ワークショップを振り返って、「番組づくり」と「授業づくり」と「研修づくり」は、同じ仕組み、同じ仕掛けであると解説。「送り手の意図(=ねらい)に気づく」学びは、良い送り手を育てるとともに、メディアからの情報を正確に理解する、よい受け手を育てることにもつながる、と締めくくった。

閉会の挨拶

メディつきセミナーの開催に協力したジャストシステム 法人ビジネス部 村岡明から一言ごあいさつ。「先生方がメディつき学習を続ける限り、我々は応援し続けます!」と力強い一言でしめくくり、会場からは大きな拍手が起こった。