効果的なアンケートの作り方とは?
設計のポイントと活用法を徹底解説

商品開発や顧客満足度の改善、ブランド認知の測定など、マーケティング活動において欠かせないのがアンケート調査です。しかし、「どのように設計すれば有効なデータが取れるのか」「どこに気をつけて設問を作成すればよいのか」といった疑問を抱える方も多いのではないでしょうか。
本記事では、アンケート調査の目的設定から設問設計、回答率を高めるための工夫、さらにセルフ型リサーチツール「Fastask」を活用した効率的なアンケート作成方法まで、マーケティング担当者の視点でわかりやすく解説します。
設計の基本から実践的なヒントまで、初めての方でもすぐに実行に移せる内容となっています。これからアンケートを実施しようと考えている企業担当者の方は、ぜひご一読ください。
目次 |
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アンケートの役割と活用シーン
アンケートは、顧客の声を数値化し、ビジネスにおける意思決定に反映させるために有効な手段です。マーケティングの初期段階では、消費者ニーズの把握に役立ちます。たとえば、新商品やサービスの開発前にアンケートを実施すれば、ターゲットの関心や期待を定量的に可視化でき、実際の市場のニーズに合った形へと調整することが可能になるでしょう。
また、既存顧客の満足度を調べることで、商品やサービスからの離脱を防ぎ、LTV(顧客生涯価値)の向上にもつながります。さらに、ブランド認知度の把握やキャンペーンの効果測定などにも広く活用されており、マーケティング活動全体の「見える化」に貢献できます。
成功するアンケートとは、調査目的や対象者が明確に定義されている点が共通しています。調査テーマやシーンに関わらず、必要なデータを引き出すための設問設計が求められます。
①マーケティングにおけるアンケートの重要性
アンケートは、ユーザーの意識や行動を「可視化」するための手段です。マーケティングにおいては、仮説に基づいた戦略を進めることが多く、その仮説の妥当性を検証するためにも、アンケートは重要な位置づけとなります。
たとえば、商品の改良やサービスの改善を行う際、実際のユーザーが感じている問題点や希望を知ることで、改善を的確な方向性に導くことが可能です。数値として得られた情報は、主観的な印象とは異なり、合理的な意思決定の根拠となります。感覚に頼らず、実態に基づいた施策を打ち出すためにも、アンケートは欠かせない手段といえるでしょう。
②アンケートが活用される主なシーン
アンケートは、企業活動のさまざまな場面で活用されています。最も典型的なのは、新商品や新規サービス開発のための市場調査です。対象者の関心やニーズを把握し、より売れる形に設計できます。加えて、既存顧客への満足度調査を通じて、改善点の発見やリピート購入の促進にもつなげられるでしょう。
また、イベント終了後の事後アンケート調査は、次回の改善策を講じる材料が得られます。その他にも、社内の意識調査やキャンペーン施策前のテストマーケティングなど、アンケートの活用範囲は多岐に渡るでしょう。目的に応じた活用が、マーケティング精度を高める鍵となります。
③成功するアンケート調査の共通点とは
アンケートで有効な結果を得るには、いくつかの共通ポイントがあります。最も基本的なのは、調査目的を明確にすることです。たとえば「認知度を知りたいのか」「満足度を知りたいのか」によって、聞くべき内容は大きく変わります。
また、回答対象を具体的に定めることで、集まるデータの精度が高まるでしょう。「20代女性」や「直近1年以内に利用経験のある人」など、対象者の属性を絞ることで、より実用的なインサイトが得られます。
加えて、設問の流れやロジックも整理されていることが重要です。誰に・何を・どのように聞くのか。この3点を曖昧にせず設計することで、調査の成果は大きく変わってきます。
効果的なアンケート設計のステップ
効果的なアンケートを実施するにはまず、調査で何を明らかにしたいのかを定義し、具体的な調査対象やKPI、分析方針を決めます。
設問を作成する際には、回答者の負担を減らすために文言を簡潔に保ち、誤解や誘導を招かないよう心がける必要があるでしょう。
また、選択式と自由記述式の質問をバランスよく組み合わせることで、定量データと定性的な気づきを同時に得ることが可能になります。こうした細やかな配慮が、回答精度を高め、調査全体の成果につながります。
①設問作成の前に明確にすべきこと
設問作成前にまず明確にすべきことは、「調査目的」と「対象者の条件」です。これらの点を明確にする理由は、目的が曖昧なままでは質問の焦点が定まらず、分析にも一貫性がなくなってしまうからです。たとえば「新商品の購入意向を測る」ためなのか、「既存商品の不満点を探る」のかでは、設問構成がまったく異なります。
また、対象者の定義も重要です。誰に対する質問なのかを明確にすることで、データの信頼性が高まります。たとえば「最近購入した人」「現在利用している人」など回答者の条件を絞り込むことで、得られる結果が実用的なものになります。この準備段階を丁寧に行うことが、調査成功の第一歩になるでしょう。
②設問設計の基本ルール
設問を作る際に大切なポイントは、質問文をわかりやすく設定し、内容によって誤解を生じさせないことです。たとえば、複数の内容を同時に尋ねる「ダブルバレル質問」※1や、専門用語を多用する設問は、回答者を混乱させる原因になります。
また、「この商品は良いと思いませんか?」といったような誘導的表現も避けるべきでしょう。回答形式にも工夫が必要です。単一回答・複数回答・自由記述のいずれを用いるかは、得たい情報に応じて選ぶようにします。選択肢の数が多すぎると回答者が迷いやすくなるため、15項目以内にとどめるのが理想的でしょう。設問の順番も論理的な流れに沿って配置することで、離脱を防ぎ、回答精度を高められます。
※1ダブルバレル質問:1つの質問文で2つ以上の論点や内容を同時に尋ねること。
(例)「当ホテルの料理は美味しく、満足しましたか?」
③選択式・自由記述式のバランス
アンケートでは、選択式と自由記述式の両方を適切に使い分けることで、より質の高いデータ収集が可能になります。選択式は定量的な傾向を把握するのに適しており、集計や分析も容易です。
一方で、自由記述はユーザーの本音や個別の意見を引き出すのに有効であり、新たな発見につながることもあるでしょう。ただし、自由記述が多すぎると回答の手間が増え、回答率の低下を招く恐れがあります。そのため、基本的には選択式をベースに構成し、特に深掘りしたい設問のみに自由記述欄を設ける設計が望ましいとされています。
たとえば、選択式で質問をした後、その後にその選択肢を選んだ理由を自由記述で聞くといった具合です。手前で選択式の設問があることで理由も答えやすくなります。
このバランス調整が、回答のしやすさとデータの質を両立する鍵になるでしょう。
回答率を高めるための工夫
いくら設計が優れたアンケートでも、十分な回答が得られなければ意味がありません。そこで重要になるのが、回答率を高めるための工夫です。
アンケートを配信する場所や方法の選定(インターネットか紙かなど)や、ユーザーが回答しやすい時間帯の把握は基本的なポイントになります。また、インセンティブの提供によって参加意欲を喚起する手法もよく用いられますが、それだけに依存するのではなく、信頼性の高い調査であることを丁寧に伝えることも欠かせません。
さらに、インターネット調査をする場合、スマートフォンでの回答を前提にした設計や、UIの操作性にも注意を払うべきでしょう。ページ遷移のしやすさや進捗の可視化など、細部の配慮が全体の離脱率に大きく影響します。回答率の改善には、技術面と心理面の両方からのアプローチが求められます。
①配信方法の選定とタイミング
アンケートの配信手段には、紙・メール・SNS・スマホアプリ・Webサイト内ポップアップなど、さまざまな方法があります。それぞれに特徴があり、ターゲット層や目的に応じた選定が重要です。たとえば、若年層向けであればSNSやスマホアプリが有効であり、ビジネスパーソンにはメールの方が適している場合もあります。
また、配信のタイミングも回答率に影響します。一般的に、平日の夜や週末の昼間など、ユーザーの落ち着ける時間帯が好ましいとされています。ただし、業界や対象によって最適な時間帯は異なるため、過去の配信データなどをもとに検証することが望ましいでしょう。
②回答インセンティブの活用
インセンティブは、アンケートへの参加を促す有効な手段です。代表的なものには、抽選での景品提供やポイント付与があります。これらは特に、一般消費者を対象とした調査で効果を発揮しやすい方法の1つですが、報酬目当ての不正回答や質の低い回答が混ざるリスクもあります。
そのため、インセンティブの種類や条件は慎重に設計する必要があります。また、インセンティブがなくても「この調査は何のためか」「どう活かされるのか」を丁寧に伝えることで、信頼性の高い回答を得ることも可能です。価値ある調査であることを理解してもらうことが、最終的には参加率の安定につながります。
③回答しやすい設計とUIの工夫
回答者がアンケートに取り組みやすい設計を心がけることで、離脱を防ぎ、回答完了率を向上させることができます。たとえば、スマートフォンに最適化されたレイアウトや、1画面あたりの設問数を絞る工夫が有効になるでしょう。
また、現在の進捗状況が一目でわかる進行バーを設置することで、回答完了までの道のりが可視化され、途中離脱の抑制にもつながります。その他にも、タップ操作のしやすさや選択肢の読みやすさといったUI/UXの細部が、回答のしやすさを左右することもあるでしょう。こうした視点は、見落とされがちですが、全体の回答品質と量に直結するため、意識的に設計することが求められます。
Fastaskで始める!効率的なアンケートの作り方

Fastaskは、初心者から経験者まで幅広い層に対応できるセルフ型のアンケート配信サービスです。直感的な操作性とアンケート調査のプロによるサポート体制が整っており、誰でも安心して調査に取り組めます。ここでは、Fastaskの主な機能と活用のポイントを紹介します。
①Fastaskの特徴と強み
Fastaskは、スピード・コスト・品質のバランスに優れたセルフ型ネットリサーチツールです。約700万人のアクティブモニターを保有しており、性別・年齢・地域・職業などの詳細な条件でターゲットを絞り込むことができます。調査票は3ステップで簡単に作成でき、集計結果もWebブラウザ上で即座に確認できるだけでなく、調査開始から最短24時間で納品され、5万円から利用可能という手頃さも特長の1つです。
また、セルフ型でありながら、すべてのアンケートに対してリサーチャーによるチェックを実施しているため、表現のわかりづらさや設問構成の不整合を防ぐことが可能です。さらに、UIも直感的で扱いやすく、設問のテンプレートや回答者の条件設定も簡単に行えるように設計されています。
データ回収後は自動でグラフや集計レポートを作成できるため、分析作業の負担も軽減できます。こうした体制により、スピーディで正確なリサーチを、誰でも手軽に実現できるのがFastaskの最大の魅力です。
②調査設計も代行可能なハイブリッド型
Fastaskは「セルフ型」でありながら、アンケート調査のプロによる「調査設計代行」もオプションで提供しており、柔軟な活用が可能です。これにより、設計に慣れたユーザーは自力で調査をスピーディに進める一方で、初めての方や時間が確保できない場合はプロに任せることも可能です。
設問設計・ロジック設定・対象条件の定義まで、すべてを任せられるため、調査の品質を担保しつつ、業務負担を軽減できます。このように、セルフ型とフルサポート型の両方を兼ね備えたFastaskは、いわば「ハイブリッド型リサーチツール」と呼べるでしょう。
企業規模やリサーチ経験にかかわらず、幅広い活用ニーズに応えられる点が、多くの企業に選ばれている理由の1つとなっています。サービスを詳しくお知りになりたい方は、以下のリンクからご覧ください。
まとめ
マーケティング施策の精度を高めるには、ユーザー理解に基づいた判断が欠かせません。アンケートはそのための基本的かつ強力な手法です。本記事では、アンケートの活用シーンから設計のステップ、回答率を高める工夫、そしてFastaskを活用した実践的な方法までを解説してきました。
特に、セルフ型リサーチにおいては、設問の表現や構成の工夫が、調査結果の信頼性を大きく左右します。Fastaskでは、テンプレートの活用やプロのリサーチャーによる設問チェック、必要に応じて設計代行まで対応しており、初心者でも安心して高精度な調査が可能です。
マーケティングや営業活動で成果を出すには、仮説だけでなく、的確なデータに基づいた判断が求められます。アンケートを正しく設計し、継続的に活用することが、顧客戦略を次のステージへ導く鍵となるでしょう。最後に、マーケティングリサーチに役立つ資料をご用意しています。ご興味のある方は、以下のリンクからどうぞ。
Fastask(ファストアスク)とは?
ジャストシステムが提供するセルフ型ネットリサーチサービス。調査する企業が自分で質問を作成するスタイルで、ローコスト&スピーディーな調査が可能です。従来調査の半額~10分の1の費用で、即日~数日で調査が完了します。
Sprint(スプリント)とは?
ジャストシステムが2017年8月にリリースした、「わずか5分でターゲットとなる消費者に出会えるチャットインタビューサービス」で、インターネット上で定性調査のインタビューができます。従来のリアル・インタビューよりもはるかにスピーディーで低コスト、リアルタイム性があるのが大きな特徴です。話を聞いてみたい人を選んで手軽にインタビューできます。