外来語の使い方・外来語に対する意識
たくさんの方々にご協力いただき、ありがとうございました。
約2週間にわたり、実施させていただきました
「外来語の使い方・外来語に対する意識」調査の結果をご報告申し上げます。

日本大学 文理学部 国文学科教授 荻野氏総括
今回のアンケート調査にご協力いただき、ありがとうございました。

近年、外来語が日本語に多数流入しています。しかし、中には、同じ意味の言葉なのに、いくつかの類似語形が使われ、どれが正しいのかわからないような場合もかなりあります。これも日本語の乱れの一部と意識されることがあるようです。

今回のアンケートでは、そのような複数語形を持つ外来語に焦点を当て、日本語の現状をとらえようと企画しました。結果として、外来語の普及の一般則がわかったように思います。
多数の方々のご協力を得て、はじめてこのようなことが可能になります。
今後も、こういう日本語の現状をとらえる調査を継続していきたいと考えております。

調査結果ダイジェスト
今回は 外来語の使い方・意識を通して「言語への関心度」を重点的に調査しました。

言語への関心度について


今回のアンケートでは、

ロシア東部の半島の名前は何といいますか。
ロシア産が有名な強い酒は何といいますか。
ホテルなどの案内係のことを何といいますか。

など、 ロシア語やフランス語が起源の外来語を多く調査しました。
調査のポイントは、どんな形(語形)を使うかということでした。
しかし、結果は、ロシア語やフランス語を学んだかどうかと外来語の使用語形との間にはほとんど関係がありませんでした。
このことは、日本語の中で外来語として使われるときは、外来語の起源は関係なく、どの形を使うかは日本語の問題になってしまっていることをあらわしています。
今回のアンケートの結果、外来語は日本人同士の間で日本語として伝播・普及しているという当然の事実が浮かび上がってきました。




外来語への関心の年齢差


今回のアンケートで、一番意外だったことは、外来語の具体的な語形を尋ねる項目で年齢差があまり見られなかったことです。 今の段階では、確実なことはいえませんが、以下のような解釈が可能です。

第1に、今回のアンケートに回答いただいた人の多くは30〜50代の年齢層でした。
これは、パソコンの利用率と大きく関わっています。若年層・高年層はあまりパソコンを利用しない層で、パソコンに親しんでいる人というのは、同世代のパソコンを使わない人よりは知的作業に関わる例が多いのではないでしょうか。

また、パソコンを使うことから、パソコン用語などに関する知識も多いだろうと思われます。パソコンの世界は変化の早い世界でもあるので、新しいことをどんどん受け入れるタイプの人が多いことも予想されます。このような偏りがある人が(特に若年層と高年層で)回答したことによって、一般の人を調査した場合とは結果が違ってしまったのだろうと考えられます。

第2に、「言語への関心度について」でも示したように、外来語は日本語の中の一要素として人々の間に浸透しているためです。




言語への関心度とは?


あなたは、日本語について細かいことまでよく知っているほうですか。
あなたは、フランス語を学んだことがありますか。

など、言語に対してどれくらいの知識・関心を持っているかを(回答した人が自分自身を見る見方でしかありませんが)質問しました。
その回答を利用して、言語への関心を多く持っている人、そうではない人に区分し、個々の外来語項目の回答がどのように変わってくるかを調べました。

※言語への関心度の計算方法※
言語への関心の項目を相互にクロスしてみると、お互いの相関がかなり高いことがわかります。
そこで、言語知識項目を総合して、個人ごとの言語知識ということで1個の数値に集約して得点化してみました。
こうすれば、個々の外来語項目(たとえばカムチャツカ)を1個の言語関心度への得点と比べて考察することで、複数個の質問を参照したことになります。

言語への関心を調べる項目が5項目(外来語の意味を調べるか、日本語の知識、外国語の知識、フランス語、ロシア語)の場合と、それに3項目(外来語が多いと思うか、外来語が好ましいか、外来語を避けるか)を加えた8項目の場合の2種類を林の数量化第3類(アンケートの選択肢式の回答を、回答者ごとの回答パターンを基準にして、量的データに変換する一手法)にかけて計算しました。

その結果、いずれも言語関心度を第1軸として抽出することができますが、5項目で計算した場合のほうが、第1軸の重みが重い(そして第2軸が第1軸の補助的な位置にあり、別の意味を抽出しているのでない)ので、好ましい。つまり、5項目のほうが結果がすっきりする(言語関心度への得点が素直に抽出される)ので、こちらを採用することにします。


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update:2005.8.23