中学・高校の実践事例
子どもの向上心を喚起するアイデアで 一般教科でのパソコン利用を促進
〜検索サイトを利用した理科の調べ学習と社会科クイズの問題制作〜
千葉県・柏市立逆井中学校

豊かな自然に囲まれた千葉県柏市立逆井(さかさい)中学校。
子どもたちの純朴な笑顔が印象的だ。2つのコンピュータ教室や特別教室まで整備された校内LAN、 全教室にノートパソコンと液晶プロジェクタが完備されるなどハード面の充実は県下でもトップクラス。
総合の時間だけではなく、一般の教科でのパソコン利用も活発だ。 今回は、情報機器を活用した理科と社会の授業におじゃました。
極力ヒントを与えないことで 子どもたちの意欲を引き出す
全教室はもちろん、特別教室まで校内LANを整備した逆井中学校では、コンピュータ室の空き状況を気にせず、学校のあらゆる場所でパソコンを利用した授業を実践することができる。 この日は、4限目にコンピュータ室と図書室で、同時にパソコンを利用した授業が行われた。
理科の授業を受けるために図書室に集まったのは1年1組の20名。クラスを半分に分けた少人数学級だ。 今日は、植物に関する単元のまとめとして、インターネットの植物検索事典サイトを使って、身近な植物の特徴を調べる。
普段は5〜6人の班ごとに1台のパソコンを共有することが多いが、この日は1人1台の環境が実現した。
自分専用のパソコンを前に、子どもたちはすでに興奮気味。
担当の大木隆司先生は、まずバットに入った4種類の花を配る。 その日の早朝、学校の近くの河原で、大木先生自身が摘んできたものだ。
次に子どもたちは、先生の指示に従って、サーバ内にあるワークシートにアクセス。
自分のノートパソコンに取り込み、エプソンのカラーレーザープリンタ『LP-8800C』でプリントアウトする。
プリンタのまわりで、出力を待つ子どもたち。
用紙が出てくると、 「うわー、本物の写真が貼り付けてあるみたいにきれい!」と声が上がる。
続いて、子どもたちは逆井中のトップページから、植物検索事典“なんやろ”を起動する。 “なんやろ”は、花の季節、花の色、花弁の数、茎や葉の特徴を入力することで、データベースにある約2400種の植物の検索ができるフリーの検索サイトだ。
大木先生は 「実物をよく見て、自分で検索する言葉を考えてごらん」 と、極力ヒントを出さずに、子どもたちが自分で考えるように促していく。
1問目の答であるニラの花に触れてみたり、匂いをかいだりしながら、一生懸命にキーワードを考えていく。 男の子のひとりがヒントを求めると、大木先生は 「餃子の中には、何が入っているかなあ?」 とニッコリ。
「キャベツと、ニンニクと……あっ、わかった。答が見つかったよ。ほら、これだ!」
周りの子どもたちも画面をのぞき込み、男の子にどんな検索ワードを入力したのかを質問する。
多くの子どもたちが1問目はなんとかクリアしたが、2問目、3問目には苦戦している様子。 検索サイトの使い方は十分に知っている子どもたちも、自分の目で見た花の特徴を、キーワードとして入力するのは、なかなか難しいようだ。
授業終了の5分前になって大木先生が 「はい。とりあえず、今回はここまで。では、正解を発表します」 と言うと、子どもたちから、意外な言葉が返ってきた。
「いやだ。自分で調べたい。ねぇ、先生、授業を延長してください!」
悔しがる子どもたちの反応に、大木先生も驚いた様子だ。
授業終了後、 「正直なところ、“難しすぎておもしろくなかった”という感想が出ると思っていました。ある程度の難易度がある問題に、自分ひとりで立ち向かっていくことが子どもたちのやる気を引き出したのでしょうね。今後の授業のための大きなヒントになりました」 と笑顔で語ってくれた。

