小学校の実践事例

パソコンを通じて表現力のアップとコミュニケーションスキルの向上を目指す
『一太郎スマイル』を使ってオリジナルの旅行ガイドを制作〜
愛知県名古屋市立高木小学校

名古屋市立高木小学校楽しかった修学旅行の思い出をまとめる、6年1組の総合的な学習の時間。 担任の榊原先生は、パソコンを使った作品づくりに“来年の6年生に見どころを教える”というテーマを与え、伝える相手を具体的にイメージさせた。画面の向こうに“人"がいることを意識したとき、子どもたちの作品に対する考え方は、どう変化するのだろう。

伝える相手を意識させて 子どもたちのヤル気を引き出す

まばゆいばかりの金閣寺、荘厳な雰囲気の漂う三十三間堂、とっても大きかった大仏さま…。5月28、29日の修学旅行で、高木小学校の6年生は奈良・京都をめぐり、数々の名所をたずねた。

その時の思い出をパソコンでまとめる、総合的な学習の時間。“来年の6年生に、修学旅行の見どころを教えよう”というテーマが設けられた。思い出をまとめた作品を学校に残して、来年の6年生に役立ててもらうのが目標となる。

作業に向けて説明を聞く

パソコンの画面に向かって作業をしていると、ともすれば自分の世界だけで完結した作品になってしまう傾向がある。そこで今回は“誰に伝えるためのものか”を具体的に設定し制作に取り組むことになった。

「より伝えるイメージを明確に持ちながら制作に取り組んでもらうことがねらいです」 と、担任の榊原貴久先生。

その結果、どの作品も“修学旅行の楽しさを来年の6年生に伝えたい”という気持ちが表現された作品に仕上げられていった。

スキャンしてレイアウト 来年の6年生ヘメッセージを

すでにコンピュータ室で制作にとりかかっている、6年1組の子どもたちの様子を見てみよう。

作品は新聞形式で、1枚の用紙に画像と文章をレイアウトする。画像は、テジカメで撮影した写真、インターネットのホームページから取り込んだ画像データに加え、パンフレットや本などをスキャンして使用する。ネットワークスキャナ、カラーレーザープリンタ、カラーコピーが一体になったエプソンの『インターカラーステーションLP-8800CCH』が大活躍した。

資料をスキャン・・・

この機種は、従来のスキャナと違ってコピー感覚でスキャニングできるとあって、初めて使う子どもたちも、一度先生が説明すると、あとは自分たちでどんどんスキャンしていく。また、『ー太郎スマイル』と連携していて、[スキャン箱]をクリックするだけで、スキャンしたデータを簡単にとりこむことができる。

さらに、立体物でもスキャンできるのが特徴で、買ってきたお土産をスキャンする予定だったが…
「修学旅行の1週間後にスキャナを使う時間を設けたのですが、だれもお土産を持ってこなかったんです。どうしてかたずねると、“もう、食べちゃった!"という答えでした。“食べ物しか買ってないのか!"って笑いましたよ」と榊原先生。お土産の画像は、パンフレットから取り込むことになった。

取り込んだ画像は、型抜きしたり、フレームをつけたりと『一太郎スマイル』の豊富なテンプレートを使って加工していく。 制作は1人または2人で行われる。2人組で作業をしている子どもは、「写真の形どうしようか…五角形? 星形かな…」 「それじゃ写真が見にくいよ」 「あっ、雲の形がある」 「見やすいし、楽しそうな雰囲気になるね」 と、話し合いながら進めていく。

画像をレイアウトしたら、次は文字を入力する。奈良公園について紹介する子どもは、鹿の写真の横にテンプレートから男の子のイラストを配置して、吹き出しを付けた。吹き出しには、「鹿といっしょに写真を撮るのは、いい思い出になるよ!」 とアドバイス。紹介する相手を具体的にイメージできるからこそ、心のこもったメッセージを添えることができるのだろう。

こちらでは、同じく男の子のイラストを東大寺の大仏の写真の中に小さく配置して説明する。 「教科書の大仏と、本物の大仏は、迫力が全く違った。人間の大きさはこれくらいです」 大仏がいかに大きいかを、分かりやすく表現した。役に立って欲しいという気持ちから生まれた、グッドアイデアだ。