小学校の実践事例

バリエーション豊富なひな形を使ってクラスの思い出に彩りを添える
『はっぴょう名人』で修学旅行のアルバムを作る特別活動〜
静岡県浜松市立泉小学校

学校生活の中で、いつまでも心に残るイベント、修学旅行。楽しかったこと、感動したこと、びっくりしたこと…。たくさんのできごとを、パソコンを使って作品にしてみよう、というのが今回の授業だ。クラスみんなで体験した素晴らしい思い出が、いつまでも色あせないように。

グループで協力し合って、アルバムを制作

「何するか決まったグループは手をあげて!」担任の袴田扶見子先生が聞くと、「はーい!」とクラス全員が元気よく応える。
今回の特別活動は、11月にみんなで行った修学旅行の思い出をまとめて、アルバムを作ろうという授業だ。行き先は東京。初めて行った場所で、いろんなものを見て、たくさんの人に出会った。アルバムを作る材料は、楽しかった思い出と、旅行中にインスタントカメラで撮った、たくさんの写真だ。

行き帰りの新幹線、大好きなミッキーやドナルドに会えた東京ディズニーランド、憧れのテレビ局、人がたくさんいてびっくりした浅草…。6年3組の31人の子どもたちは、思い出の場面ごとに10のグループに分かれてアルバムを制作する。そして、仕上がったアルバムは、学習発表会で大きなスクリーンに映し出して発表し合う計画だ。
まず、グループごとに、どの写真を使って、どんな構成にするか、感想文はどうやって入れるかを相談する。意見がまとまったら、作業開始!

ひな形を使えば、写真のアレンジも簡単

前回の授業でスキャンしておいた写真を呼び出すことからスタートする。「はーい。じゃあ、『一太郎スマイル』を開いてください。「共通」のアイコンをクリックすると写真が出てくるよ」フォルダにはみんなの写真データが入っていて、共通で使用することができる。ほかのグループの子どもが撮った写真を使ってもOKだが、その際は必ず声をかけるのが決まり。「ねえ、この写真使ってもいい?」「うん、いいよ」ちょっとしたルールだが、情報教育が著作権教育の一環にもなっている。

作業は『はっぴょう名人』を使って進められる。最初は、台紙選び。台紙のひな形は、チェック柄やグラデーション、民話調、スケッチブック風など、多くのパターンがそろっていて、色見本から好きな色を選んで、台紙の色を変えるのも簡単。子どもたちは写真の雰囲気に合った台紙を相談しながら作っていく。

スマイルペイントは楽しいな

台紙が決まると、その上に写真を取り込む。“浅草チーム”は、雷門の前で出会ったおじいさんの写真を使うことに決まった。取り込んだ写真に枠をつけたり、使いたい部分だけを切り抜いたり、いろんなツールを試しながらどれにするか話し合う。

さらにスマイルペイントの[おもしろツール]を使えば、モザイクや白黒の反転もできる。 “浅草チーム”は、そのなかの[うき出し]をクリック。「うわー、メタリックじいさんになった〜!」「これはちょっとやりすぎだよ」。

 写真を取り込んだら、タイトルをつける。このグループは「おじいさんがあらわれた」と入力し、文字をアレンジ。台紙に色をつけたときと同じように色を選び、変形させ、立体的な文字にする。なかなかインパクトがあるページに仕上がった。これで表紙が完成だ。

写真に感想文を添えて、もうすぐ完成だ

「表紙ができたら、感想文のページも作ってね」と先生から声がかかる。表紙を作ることと、感想を入れることさえ守れば、あとの構成は子どもたちの自由。修学旅行で印象に残ったことを、思い思いに文章にする。

ある男の子の感想は、「親切に道を教えてくれる人がいっぱいいました。その中でも、一番思い出に残っている人は、雷門で出会ったおじいちゃんです。これからも人との出会いを大切にしていきたいです」という内容。修学旅行でのたくさんのできごとの中で、彼は人との出会いが印象的だったという。感受性の豊かさが伝わってくる、素朴で素直な感想だ。

文章を入力してページに貼り付けてみる。でも、このままではプロジェクターに映したとき読みにくい。そこで、文字を拡大してみる。すると、「先生。字を太くしたい」という要望が出た。「特太ゴシックを選んでみて」と、太い書体を選ぶようアドバイス。これで、読みやすくなった。