メディアとのつきあい方講座

「情報モラル」についての特別座談会

特別座談会「情報モラル教育の実践と課題」
〜情報モラル教育が実現すべき究極のテーマとは?〜

権利ばかりを主張する保護者には
毅然とした態度で十分な説明を

●久保田

先ほど、野崎先生から子どもの写真をホームページに掲載する際に保護者に了承を得るという話がありました。そのこと自体はとても大切なことだと思います。ただし、最近は肖像権などの権利を逆手にとって公共の利益を阻害する人が増えています。

例えば私はよく先生方から、「緊急用の連絡網を作ろうとしたら、保護者から個人情報は出したくないと言われて困っています。どうしたらいいでしょうか」という相談を受けます。これは利益衡量の問題です。情報の管理については地域と先生方の信頼関係で成り立っているもの。それでも「個人情報だから」と協力しない人に対しては「緊急時に連絡が取れませんが、それでも構わないのですね」と毅然とした態度で臨んでほしいと思います。

●伊藤

私の勤務する小学校は統合校で、学校が管理する情報に関して理解を得ていない新しい学校と統合する際に、一部の保護者から問題提起がありました。その時は「うちの子の肖像権を侵害している」といった知識だけが先行した意見が多かったと思います。

また、「何かあったら責任を取れるのか」という質問も出た。これは残念ながら、学校が全ての責任を負うことはできません。その上で「載せてほしくない」ということであれば、集合写真などはお子さんを入れない形で了承していただくしかない。ただし、すぐに結論を出してしまうのではなく、反対意見を持った保護者には、さまざまな資料を集めて学校へ来てもらい、何回も話し合いを重ねました。

●宗我部

私の中学校のホームページには、「子どもたちの様子をできるだけ伝えていきたい」という思いから作成した保護者専用のコーナーがあります。そこでは子どもたちの作品など、個人にかかわる部分を公開しているのですが、保護者の方々がどう受け止めてくれるのか。少しずつステップを踏みながら、その反応を見ているところです。開設から1年が経ちますが、今のところ子どもたちの作品や学校生活の様子を見ることができる楽しさが強いようで、苦情はありません。

●村岡

保護者の反応という意味では、家庭のIT度が大きく関係してくると思います。各先生の学校でのパソコン普及率はいかがですか。

●伊藤

学年によっても違いがありますが、まだ半分にも満たない状態だと思います。

●野崎

私の地域は4割くらいでしょうか、学校のホームページを始めてから、自宅にパソコンを購入する方が増えているように思えます。

●宗我部

9割近くまで高まっています。ここ1〜2年のブロードバンドブームで、ケーブルテレビやADSLが一気に広がり、普及率が急速に上がっていることを実感しています。

●村岡

ここ数年は驚くべきスピードでIT環境が変化しています。その中で、保護者自身のITリテラシー、そして情報モラルへの認識が高まることを期待したいですね。