IT活用講座

達人に聞く プレゼンの極意

チームで作る、よりよいプレゼン
日本アイ・ビー・エム株式会社 公共システム事業部 文教事業部
文教営業開発部 初等中等教育機関担当/ 田口安広さん

書くことよりも話すこと

「相手の目を見て語る」ことを中心に

田口さんは、外資系IT企業で活躍する営業マン。
そのプレゼンは、顧客を相手に行われることはもちろんだが、同時に、外国人を含めた社内の上司に対して、業務の実状を説明するためにも数多く行われるという。

そのため、特に米国流のプレゼンスタイルが、田口さんの基本スタイルになっている。一つ一つの文章は極力短く、書くことよりも話すことを重視するスピーディなプレゼンだ。

相手の目を見て話す・作る

「話すことを重視するのは、同時に聞き手を重視することなんです」
そう話す田口さん。相手の目を見て語ることを中心にしたプレゼンは、そのまま、相手の反応に応じて、個々の話題の切り上げを早めたり、またはもっと掘り下げて話すなど、臨機応変の対応につながる。

プレゼンは、その制作段階から、聞き手のことを考えなければならないのはもちろんだが、
「結局のところ、現場での反応にいかに対処できるかが重要になりますね」
と田口さん。

みんなで育てるデータベース

一方、プレゼンシートを作る、という面についてもお話をうかがった。

企業では、数多くの業務をこなさなくてはならず、また、顧客に対する提案(=プレゼン)もスピードを要求されることが多い。そのため、仕事にあたっては、多くの社員が積み上げてきた社内の蓄積をフルに活用する必要がある。たとえ1人で行うプレゼンであっても、そこに使う各種の素材やデータは、必ず社内の共有プレゼンデータベースを活用するという。

表情豊かに話す田口さん

そのデータベースには様々なテンプレートや画像素材、自社の製品を説明するための各種資料などが蓄積され、部員の誰もがこれを利用できるようになっている。

各人は、これを利用してプレゼン資料を作成する一方、自分なりの工夫を加えたものや、更新した資料を必ずデータベースに戻すため、データベースは絶えず成長していく。

自分で手を加えたものを、自分のものとして手元に残してしまうような人はいないのですか、との問いに
「いませんね。社員の誰もが、このデータベースのありがたみをよく知っていますし、それが充実していくことが、結局自分自身にとってもメリットになることを理解していますから」
と田口さん。

学校でも、プレゼンをその都度ゼロから作ったり、また市販の素材集を使ったりする以外に、このように、みんなで作り、みんなで使えるデータベースを育てていくといった取り組みができるのではないか、そんな風に思えるお話だった。

プレゼンは1人では作れない

「プレゼンはみんなで作るもの」

田口さんが語る、もうひとつのプレゼンの極意は、「チーム作業の大切さ」だ。

先に書いたデータベースの利用とそれへの貢献も、ひとつのチームプレーと言えるが、より直接的に、数名のチームでひとつのプレゼンを作っていく場合もある。その時に、各人が、自分のできること、自分がやるべきことを考え、実行していくことはとても重要。

学校でも、班活動などグループ単位での活動は多いが、このときに、
「漠然と集まって作業するのではなく、明確な役割分担を行って、なおかつそれをローテーションしていくことが有効だと思いますよ」
と田口さん。

「そうすることで、全員がまんべんなく作業に携わることになって、主体性も生まれるし、また、ローテーションの中で、それぞれの子どもの適性も見えてくるはずです。会社でも、こうして自分の適性を見いだす人は少なくないんです」

企業でも学校でも、個々人の長所を見いだし、それを活かしていくことの大切さは変わらない。プレゼンに取り組むことは、それに関わる人を育てていくことでもあるのだ。

 

田口流プレゼン秘伝
※本文中の情報は、すべて取材時のものです。