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こうしてみると、世の中のさまざまな流れが京都観光をバックアップするような形でうまく働いているように見える。だが、決してそれだけではないと、清水氏は語る。
清水:「観光関連産業やメディアの方々との緊密な協働が実を結んだ部分が大きいですね。ほかにも、お客様の価値観の変化や時代の潮流に合わせた仕組みとアイディアを常に提示することを心がけています」
京都市では、これまでオフシーズンとされてきた夏や冬に、上客向けの旅行をセットしたり、寺社のライトアップや花灯路といった演出で人気の観光商品を創出している。こうした観光戦略立案のためには、統計やアンケートなど、データの収集と分析が果たす役割が大きいという。
清水:「観光客数の数え方で、京都市が他の都市と異なるのは、地元の人数を計上しないということです。いわゆる入り込み客で数える方法をとっています」
京都市では、月別の入洛者数を、JRと私鉄の駅、高速道路、国道の4つの入口でカウントしている。また、観光客には年に8回(春夏秋冬の平日・休日)のアンケート調査を実施。サンプル数は約12,000で、住所地、交通機関、目的、日数、性別、年齢などを面接調査し、動機、旅行案内、訪問先、観光消費額、感想などの質問項目に郵送で返答してもらう。
この回答結果から導き出された観光客率を先述の入洛者数に掛けて、観光客数を割り出すのだ。
しかし、この手法には課題も残されているという。
清水:「まず、アンケートの自由記述欄に書かれた各々の意見が活かしきれない。限られた選択肢から選ぶものと異なり、まとめることが難しいので、ただの意見紹介で終わってしまう。これはもったいないと感じています。また、サンプルの数についても増やしたいのですが、人の手でまとめている以上、それも限界がある」
このお話を受け、清水氏にCBMI
住民要望分析システム(以下CBMI)のデモをご覧いただいた。
CBMIは、各アンケートの自由記述欄に記入された文章内容を解析して、全体の傾向を把握することができる。また、頻繁に登場する言葉を抽出して、話題の中心になっていることがらを把握したり、回答者の属性と回答の関係性を見るなど、用意された選択肢からは汲み取ることができない、一歩踏み込んだ分析が可能となる。
清水:「これは使えますね! 自由記述欄の意見が活かせるだけでなく、集計をコンピュータまかせにできるなら分析作業を省力化できる。現在はアンケートを紙ベースで実施している部分もあり、入力作業が必要になってしまうので即活用は難しいかもしれませんが、近い将来、アンケートシステムの主要部分は確実にデジタル化されますから」
ちなみに京都では、文化財や歴史、人々の記憶などをデジタル化して保存するデジタルアーカイブを推進してきた。清水氏は、このプロジェクトにも深く関わっている。
清水:「携帯電話から手軽にアンケートに答えられる仕組みを作りたい。蓄積されるデータもデジタル化されるし、携帯電話なら若い人たちの意見も集まるでしょう。これが実現したとき、CBMIも、私たちが進めるデジタル化プロジェクトの大きなメリットとして寄与してくれると思います」
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