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西会津町/町民の声を尊重した町づくり 〜「パブリックコメント制度」を先取りした取り組みと課題
 福島県西会津町は、新潟県との県境に位置する人口9000人弱の小さな町だが、ITを中心とする先駆的な取り組みで知られている。 また、近隣市町村との合併問題に関しては、全世帯にアンケート調査を行うなど、「住民の声」を非常に重視し、町政に反映している自治体でもある。

 折しも現在は、住民の声を自治体行政に反映させることを義務づけた「パブリックコメント制度」の施行が検討され、国や各自治体でもその導入が進められている。今後、行政と住民の意見との関連性がより重視されようとする中、西会津町はどのような町づくりをめざすのか。また、そこでいかにITを有効活用していくのか。
西会津町の山口博續町長と、自治体行政に詳しい会津大学助教授の清野正哉氏に語っていただいた。
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町民と町役場が一体となった町づくり

山口西会津町は、「百歳への挑戦」を掲げて、健康で活力ある町づくりを進めています。具体的な取り組みとしては、町営のケーブルテレビ網を使った在宅健康管理システムがあります。家庭にいながら血圧や脈拍、心電図を専用の端末で測り、町の保健センターに送信して継続的に健康をチェックできるシステムです。
ケーブルテレビは、完全双方向機能を持ち、加入率90%を誇っています。昨年、インターネットのプロバイダ事業も始める等、町のITインフラとして、中心的役割を担っています。

清野:西会津町は、私が「地方自治体」に対して持っていたイメージを、ガラリと変えてくれた自治体です。町を訪れるたびに驚かされるのは、行政の動きがとにかく速いことです。町長のリーダーシップの下、町役場の職員が「次は何をしようか」「どうやったら住民の要望を聞き出せるのか」と日々まい進しているのを肌で感じます。
動きの速さの秘訣は、町長と職員が情報や意思をよく共有していることにあるのではないかと考えていますが、いかがでしょうか。

山口行政上の問題について、私一人で判断をすることはほとんどありません。助役、収入役、教育長をはじめ、案件によっては担当課長まで集めて判断をしています。ただし、いったん決めたことは猛烈に推進するように心がけています。もちろん、その際に最大限に尊重するのは町民の意思です。

 
「パブリックコメント制度」の意義
 
  清野:まさに、今回のテーマである「パブリックコメント制度」を先取りした例ですね。この制度は、国や自治体の政策に対して、住民が直接意見を出す機会を設けるものです。元来、間接民主政治においては、行政は議会に対して責任を負うことになっており、直接住民の意見を聞く必要はありません。
しかし、近年の情報化の進展によって、住民はかつてないほどの情報を知りうるようになりました。このような情報化社会では、もはや行政は一方的な政策形成を行うことはできなくなっているのです。そこで、パブリックコメントの制度が注目されてきています。

山口パブリックコメント制度を特に強く意識はしていません。制度の有無にかかわらず、私は町民の意見を町政に反映させることは当然だと思っていますし、これまでもそうしてきました。しかし、それが制度として取り入れられると、もっと安心して住民の声を集められるかもしれませんね。

 
山口博續町長
山口町長は中央政界で議員秘書のご経験もあり、中央・地方両方の行政に詳しい。
「ITを利用して町が豊かになる方向を模索していきたい」と語る。
清野正哉助教授
西会津町の情報アドバイザーも務める清野助教授。
「西会津という山あいの町でも、町長のリーダーシップと、職員や住民が一丸となった取り組みによって、これだけの成功を収めている。他の自治体でできないはずはない」
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update : 2005.01.25