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また、HPは市民からの情報を吸収するメディアとしても機能している。HPを通して送られる市民からのメールは月間300〜400件。寄せられた苦情や提言、質問は、メールの内容、居住地域、年齢などで瞬時にカテゴリ分けされデータベースに蓄積。案件によっては市長まで電子決済で一気に伝達される政策支援システムを整備している。
井堀課長は、 「このシステムにより、市民からの問い合わせに対して、スピーディに、的確に、そして責任を持って対応することができます。もちろん、メールだけでなく電話や手紙、対面で受けた市民の声もデータとして登録しています。登録されたデータはカテゴリ別に分類することも可能。行政版のCRM(カスタマー・リレーション・マネジメント)を実現するツールだと考えています」
という。
データベースは市長から一般職員まで全職員が閲覧可能で、だれがどういう苦情にいかに対応したかが全庁的に公開される。これまでの縦割りの弊害に風穴を開ける仕組み。行政の情報化が、業務改革につながった好例といえる。
今後は苦情に対する市の対応を、個人情報を除いた形でHP上に公開する計画もある。透明性の向上が図れるのはもちろんのこと、市民の市政参加を促す意味でも、効果的な施策となるだろう。
このように、さまざまな面から革新的な情報化戦略を進めている市川市だが、それを支えているのがITスペシャリスト職員を育成する人材開発システムだ。
97年に「情報アドバイザー制度」を作り、情報化を進めていく上でキーマンとなる人材を育成している。毎年25人が3〜6カ月間の研修期間に、ITに関する技術や知識をはじめ、民間企業で研修を受けるなどして、ITが事業にいかに活かされているかを学ぶ。
研修終了後は5人のグループを組み、ITを利用した政策提言を行う。そこで提案された政策は、すぐに検討課題となり、実現に向けた取り組みが開始されるのだ。井堀課長は語る。
「他の自治体に比べて、市川市が情報化に関する潤沢な予算を持っているわけではありません。大切なのは企画力と提案力だと考えています。情報化はまさに“知恵の勝負”。アイデア次第で市民に喜ばれる新しい行政サービスシステムを構築できるのです」
行政の電子化によって、自治体間の競争が激しくなることは間違いない。そうした中、市民の視線から着実に深みのある情報化を進めている市川市は、他の自治体が目指すべきひとつの姿を提示しているのではないだろうか。
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市川市役所企画部
情報システム課参事(課長) 井堀 幹夫氏
コンビニを利用した行政情報サービスの発案者であり、市川市情報化の“仕掛け人”。次なる企画は? との問いに「まだ秘密ですが(笑)、期待していてください」。
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