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市川市が電子行政サービスに本格的に取り組んだのは1997年(平成10年)。その前年に就任した千葉光行市長の「行政は市民の視点から変わる必要がある」との考えから、行政改革の一環として、市民に開かれた電子行政サービスの実現を目指すことになった。
第1弾となったプロジェクトが、首都圏にあるコンビニエンスストアの情報端末から施設予約や子育て施設・行事の検索などができる「360+5サポートシステム」である。プロジェクト名の“360”は360度全方位、“+5”で365日を表現し、「いつでも、どこでも、だれでも」行政サービスを受けられるシステムという意味を込めた。
プロジェクトの提案者である企画制作部情報システム課の井堀幹夫課長がコンビニに着目したきっかけは、阪神淡路大震災だった。震災の2日後に現地に入った井堀課長は、混乱を極める街の中で、コンビニだけは明かりがつき、全国から救援物資や情報が集まっていることに驚く。
「コンビニの存在感を強く感じ、この機能を行政が利用しない手はない、と痛切に思いました。市川市の住民の中には、都内で働いている方が多いのですが、コンビニならば都内のどこでも24時間サービスが受けられます。市民ニーズに応える行政サービスとして、民間企業との連携という規制の枠を脱した取り組みに挑戦しようと考えました」
コンビニはすでに情報伝達のインフラが整備されているため、初期投資が少なくて済み、システムの開発・運用コストも大幅に低減できる。また、売れない商品、利用されないサービスは、どんどん隅に追いやられる厳しい市場原理の中に行政サービスを組み込むことで、行政が民間と競争する意識を持てることも大きなメリットだった。
97年から始まった準備作業の過程では、市の職員が1軒1軒コンビニを訪問し、協力を依頼していった。コンビニのオーナーはおおむねサービスに対して前向きで、彼らとのディスカッションもサービス内容を検討する上での貴重な意見となった。翌年には実験的に運用を開始。そして99年、関東一円のコンビニを対象にサービスが本格稼働する。
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| ブロードバンドの最新技術を備えたインテリジェントビル「いちかわ情報プラザ」。市川市や情報関連企業、SOHO事業者などが入居している。
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| 1階には100Mbpsの光ファイバーを整備したインターネットカフェを開設。夜のバータイムは深夜4時まで営業している。
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