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--ATOK用「東洋経済辞書」を導入して、業務にどのような効果がありましたか。

会田 ずっと「ATOK」を使用していたので、移行そのものは記者が気付かないほどスムーズにできました。大々的にシステムを導入するのではなく、パソコンの設定を変えた程度なので、まだ気付いていない記者もいるかもしれません。“赤字”の量は、校正の委託先から「いつも同じ熟語に入れていた“赤字”が最近減った」という声が聞かれるほど、あきらかに減少しましたね。実は社内で予算申請をするときに、数字的な導入メリットとして「校正費用の30%削減」を掲げていました。『会社四季報』は年4回出版するので、1年程度で導入費用を回収できると予測していたのですが、新入稿システムの導入と相まって、50%の校正費用削減という予想以上の成果を上げることができました。

井川 ほかにも目に見える変化がありました。整理部ではヒューマンエラーによるミスを減らすため、“赤字”の入っている原稿をすべてコピーし、今後の参考として保管しています。『会社四季報』を1冊作成するごとに、この“赤字の数”がおよそ800箇所にも達していましたが、それが3分の2にまで減ったのです。

会田 それと外字のように使用頻度が低く、パソコンで変換されない文字は作字して対応してきましたが、執筆作業に支障を来すこともありました。この点を「外字フォント配信プラグイン」がサポートしてくれています。こうしたオリジナルの経済用語や外字も、「辞書配信システム」を使えば、全パソコンに配信することが可能になりました。

神山 本来の目的は、“赤字”を減らして校正費用を削減するだけではなくて、ミスの修正やチェックに追われる時間を減らして、記者や編集者にその分じっくりと原稿を作成してもらったり、校正紙を見てもらうことなのです。そもそも出版物のクオリティーを向上させることが、会社にとっても読者にとっても一番重要なことですから。「東洋経済辞書」導入後は、原稿を読む時間が長くなり、それとともに精度が上がるという好循環になりました。

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--今後はどのように「ATOK」や「辞書配信システム」を活用していくお考えですか?

会田 経営トップの人事異動やM&Aによる会社名の変更など、企業を取り巻く状況は時々刻々と変化します。そこで各上場企業のコード番号を入力すれば、正式な社名や社長名が出てくるような変換機能を作れないか検討中です。この機能が付加されれば、執筆中にわざわざ確認する手間が省け、簡単な検索システムのように使えますから。

神山 言葉は時代を映す鏡ともいえるので、「鳥インフルエンザ」や「SARS」など、新しい言葉が次々と生まれます。上場企業の社名や業務形態も多様化し、以前は使われていなかったカタカナ用語や専門用語が当たり前の言葉として普及するようになりました。こうした状況に対応するために、年1回は用字用語のメンテナンスを行っていく予定です。今後は、同じジャストシステムさんの文章校正支援ツール「Just Right!」の導入を検討しています。二重、三重のフィルターをかけることで、単純なミスを排除し、質の高い雑誌や書籍の制作につなげていきたいですね。
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