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株式投資には必須の『会社四季報』をはじめ、経済専門誌や書籍を出版・販売している東洋経済新報社。個人投資家はもちろん、機関投資家にとっても銘柄選択の際の情報源として欠かせない企業情報や資本市場情報に間違いは許されない。そこで、より一層クオリティーの高い情報提供とコスト削減を目指し、「ATOK」と「辞書配信システム」を導入。独自のATOK用「東洋経済辞書」の活用で、業務効率化を実現した。
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--「ATOK」と「辞書配信システム」を導入した経緯を教えてください。
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会田 確か2003年の7月でしたが、ジャストシステムさんのホームページを見ていたところ、「ATOK」用の「辞書配信システム」と辞書カスタマイズサービスを知り「これはいい」と思って連絡しました。というのは、雑誌や書籍の制作過程で原稿の間違いを記す“赤字”が入るのは仕方ないことなのですが、単純な言葉の間違いを早い段階で減らせれば、業務の効率化が図れると考えていたところだったのです。以前に、用字用語集を作り、弊社独自の表記スタイルを定着させようと試みたことがありますが、記者のなかにはいちいち用字用語集を見ない人もいるので、紙に印刷して配布しても統一できないんですね。
ある印刷会社に、DTP化の際に用字用語の統一をお願いしたこともありましたが、残念ながらうまくいきませんでした。パソコンにインストールするだけで、弊社独自の用字用語スタイルが表記されるソフトはないものか――と模索していたんです。

井川 弊社は経済誌という非常に専門的な分野で、かつ原稿に高い質を求められることもあり、記者自らが企画の立案から取材・執筆までを一貫して行います。どちらかといえば、出版社よりも新聞社に近い感じです。特に『会社四季報』は、約90名の記者がおよそ3,800社の上場企業を分担し、それぞれの原稿を書きます。『会社四季報』は株式投資をする際の指針となるデータブックなので、間違いは絶対に許されません。そのためには最初の執筆段階で、用字用語などによるミスを減らすことがもっとも効果的です。

神山 「辞書配信システム」なら、弊社独自の辞書を作成して、各クライアントの「ATOK」に配信できるとのことだったので、入力段階で用字用語によるミスが極力減らせるのではと考えました。業界内でも実績があるとのことでしたし、以前から、記者や編集者は「一太郎」や「ATOK」を使っていたので、導入がスムーズに進みそうな点も魅力でした。校正作業は外部の業者に委託しているので、“赤字”が減れば校正費のコスト削減にもつながります。これらを検討した上で、導入に踏み切りました。
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制作室長 兼 整理部長
神山泰一 氏


制作室 整理部 副部長
会田政美 氏 |
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--「ATOK」の辞書カスタマイズの具体的な内容について教えてください。

会田 東洋経済版の用字用語辞書を作成し、この「東洋経済辞書」を「辞書配信システム」で記者パソコンの「ATOK」に配信するのが基本的なスキームです。ただ、この辞書を作成する作業には苦労しましたね。最初に弊社の用字用語集に収録されている約8,000語のうち、「ATOK」に標準装備されていない単語の洗い出し作業から始めたのですが、ア行からワ行まで、膨大な量の単語をひとつひとつチェックしました。

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井川 さらに重要なのが単語の使い分けです。この作業は整理部の全員で手分けして行いました。カタカナの“アジ”と漢字の“鰺”の二通りの表記を一方に統一するというような作業ですが、なかには同じ意味でも文脈によって複数の表記を使い分ける単語も存在します。例えば、“巡る”がそうです。漢字の“巡る”は「池の周辺を巡る」のとき、平仮名の“めぐる”は「原油高をめぐる」といった際に使います。こうした用法について例文を作り、使う際の参考にするわけです。約5,000語について用例を作成しましたが、これら一連の作業が完全に終わるまでに1年近くかかりました。

神山 『会社四季報』にはスペース的に文字数の制約があるため、一般的には“繰り延べ税金資産”と表記するところを“繰延税金資産”とするなど、独自の用語が多いのも特徴です。このような用語もカスタマイズで簡単に変換できるようにしました。これら一連の作業を終えて、およそ1年前の2004年10月に導入しました。
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