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--医療現場での「ATOK」「医療辞書」の使用感はいかがですか。
首藤以前から「ATOK」を愛用していましたが、他の入力システムと比べると、変換効率が格段に優れていると思います。特に電子カルテで学習結果を管理しようとすると、「MS-IME」の場合は管理対象の情報に限界があります。たとえば、突拍子もない言葉に変換されると、その後もそれが何度も繰り返されるというようなことです。「ATOK」は学習結果の電子カルテ連携が実現しやすく、一度入力した単語は次からは一回で変換してくれるので、入力作業でのストレスはなくなりました。「MS-IME」単独の場合も学習能力は働きますが、電子カルテとの連携という側面では“使いやすい辞書”に成長してくれる「ATOK」との差はどうしてもあるようです。また、医師という仕事柄、長い英語のスペルを入力するときもあります。そんなときも、一度入力した言葉なら、最初の数文字を入れただけでその言葉を表示してくれる「推測変換」は、非常に便利です。それと「医療辞書」にも満足しています。最新バージョンだと19万語もあり、普段は使わないような医療用語も探せば大抵は見つかります。外来のときなど、患者さんは意外と電子カルテの画面を見ているので、変換ミスをすると恥ずかしいんですね。そんな思いも「ATOK」が標準導入されてからは少なくなりました。

外科
首藤 介伸氏
杉田当院では、院内にある250台以上の端末すべてを全職員が共有で使えるようにしており、すべての端末に「ATOK」を、医師が利用する端末には「医療辞書」も導入しています。「ATOK」の魅力は、使えば使うほど自分に馴染んだ入力環境になっていくことなので、自分に合った環境設定で使わないと本来の魅力が半減してしまいます。そこで院内のサーバー内にユーザー辞書とキー操作などの環境設定ファイルを保存し、個人IDでログインするだけで、自分専用の環境設定を呼び出せるようにしました。私の場合は、外来、病棟、それに併設の老健施設も含めると1日で10台以上の端末でログインを繰り返していますから、どの端末でも自分の思い通りに入力できるのは本当に助かります。

--今後、電子カルテや「ATOK」を医療業務にどのように活用していくか
お聞かせください。
杉田当院のような280床ぐらいの中規模病院が電子カルテを導入するのは、予算や労力などのコストパフォーマンスを考えると大変な作業です。しかしペーパーレスを目指した当院では、職員同士が同じ情報を共有できるようになったことで、情報の伝達によるミスがなくなり、結果として医療全体のレベルが上がっていると思います。患者さんの容態で気になるところがあれば医師同士で相談し合うことも簡単ですし、看護師や他のコメディカルからもカルテの内容に踏み込んだ問い合わせを受けて、診療の参考になることもよくあります。そうなると欲が出てくるもので、電子カルテを患者さんについての貴重なデータベースとして活用していきたいのですが、今の電子カルテでは記載した内容についての検索や定型化が難しい。全文検索機能があれば、患者さんの情報を漏れなく把握することができる上に、患者さんの情報をまとめてデータ化することで臨床における知の集約ができ、学術的なレベルを上げることができると思います。そのためには電子カルテのデータ検索機能を向上させてくれることが大切ですが…。
たとえば、カルテの記載時に「頭が痛い」患者さんについて「頭痛」と入力すると、「突然の頭痛」「拍動する頭痛」といった医学的に考えられる表現や記載方法などを変換候補として示してくれる、などの機能が「ATOK」にあれば、ある程度の記載内容の統一と、集約できる程度のデータに定型化してくるのではないかと期待しています。いってみれば「医療辞書」に単語だけでなく文章も登録されている、といった感じでしょうか。また、ぜひ欲しいのが確定した言葉を簡単に再変換する機能ですね。
首藤最近、電子カルテを導入する病院が増えてきましたが、「EGMAIN-FX」同士ならばデータの交換が可能です。当院で培ったデータベースを周辺の医療機関のみならず、へき地の医療機関と交換し合えば、これ自体がへき地医療支援にもなります。今後も、これまで蓄積した電子カルテに関するノウハウを医療業界全体に提供するといった形で寄与していきたいと思っています。当院と同規模の病院であれば、準備期間が短くても電子カルテや「ATOK」を導入できるという、この事例が参考になればうれしいですね。
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社団法人 地域医療振興協会
東京北社会保険病院
所在地:東京都北区赤羽台4-17-56
開 院:平成16年4月22日
病床数:280床
業務内容:「24時間体制による小児救急医療など小児医療に重点を置いた運営」「地域の医療機関との連携を確保」「民間の創意工夫を生かした効率的な事業運営」という方針のもと、地域、医療機関、行政との連携を重視した病院運営を目指している。