—— 長崎スマートカードを導入された経緯について、おしえてください。
スムーズな現金収受のシステムとして、社内でICカードの導入が決まり、ワーキンググループを起ち上げました。その際、独自のICカードを導入するのか、既に長崎で普及している「長崎スマートカード」を導入するのかを検討しました。

長崎では平成14年からICカードの長崎スマートカードが普及していて、県内で50万枚を超える発行枚数になっていました。地域には既にご利用のお客様も多いため、利便性を考えて、長崎スマートカードへの参入を決めたんです。
—— 長崎スマートカードを運営する共同の事業体はあるのですか?
ないんです。他のICカードでは、共同の事業体を作って、精算業務なども行っていると思います。長崎スマートカードでは、長崎県バス協会がバス会社7社をたばね、バス会社の代表が集まって検討委員会を開いてます。委員会は今も動いていて、問題点への対策や、今後の展開についての検討を行っています。精算業務は業者間でやっていますし、カードの発行はそれぞれの会社が販売する分を各社で負担しています。
—— まだサービス開始直後ですが、ICカードが使える車両の導入率はどれくらいですか?
現在のところ、対象76両のち、16両に導入してます。平成21年3月末までには全車両に導入予定です。実際には、昼間帯に市内を走るのは35両なので、半分近くをカバーしている計算になります。当初より、平成19年から20年の2カ年で導入計画を立てていますので、まずは予定通りに進んでいます。
—— 全車導入となれば、より便利になりますね。
そうですね。定期券のサービスは、全車両に入ってからの開始となります。それから、現在のところ乗り継ぎサービスで、利用者の方にご不便をかけています。区間によっては電車を乗り継がなければ、目的地に行けません。乗り継ぐ車両の両方でICカードが使えればスムーズですが、一方が未導入の場合もあります。現在は、運転士が乗り継ぎ券を発行して手渡すようにしています。
—— 導入直後で、混乱などは起きていないですか?
路面電車は、どこから乗ってどこで降りてもワンコイン100円で乗降できるのが、これまでも利点でした。そのため、乗車時と降車時の両方でカードをかざす必要があることをご理解いただけない場合があります。その場合には、運転士の方で説明して対応しています。我々も運転士も勉強しながら対応している感じですね。
また社内的には、データのシステム管理がすべてパソコンになったので、そこに慣れるのも大変ですね。
ICカードリーダーにかざす利用方法については、既にバスで使っているお客様も多いのでご理解されていて、スムーズに使っていただけています。
—— ICカードの利用にはどのような特典がありますか?
積増しの際には、金額に対して10%のポイントが付きます。さらに、前回積み増しから利用された運賃額に対して、1%のポイントが付きます。ICカードはデポジットを取っていないので、ポイントを貯めて、長く使って欲しいと思っています。

ICカードは、電車内でも運転士が販売しています。また、路面電車の特徴として、運転台が前後にあって、ICカードリーダーもそれぞれ設置しているため、前後どちらでも積み増しの操作をしていただけます。
—— まだ導入直後ですが利用率はどれくらいですか?
平成20年4月現在までに、長崎電気軌道の発行分として1000枚のカードが売れています。電車のみ利用のため、1000人の方が新たに購入されたと考えられます。電車の利用者数は1日平均で約5万4千人、そのうち約1200人がカードを利用しています。もちろん、サービス開始直後の数字ですし、まだ手元にある回数券をご利用の方も多くいます。今後定期券が導入できれば、加速度的に増えるのではないでしょうか。
—— 利用されている方の層はわかりますか?
ICカードは無記名式なので把握できていませんが、高齢の方も多く使われています。長崎市のように坂が多い地形では、公共交通機関の利用率が上がると言われています。小さい町ながら利用率が高いと言えます。特に高齢の方は、電車の利用が多いため、ICカードの利用者層も増えると思います。
—— 長崎スマートカードは、全国でも先駆けて、モバイル長崎スマートカードも導入されていますね。
現在のところ、携帯電話ではNTTドコモさんだけに対応しています。委員会では、今後、他キャリアへの対応も検討しています。また、オンラインチャージも導入できるように検討を進めています。多様な使い方ができるようにして、お客様の利便性を高めていきたいですね。
「長崎スマートカード」体験レポートもあわせてご覧ください。