オムニバスタウンに指定されたことで導入を決定。
—— ICカードは、いつから運用されているのですか?
ICカードのICaは、平成16年12月から運用を開始しています。利用可能な交通機関は主に北陸鉄道の路線バスです。導入を決定したのは、金沢市が「オムニバスタウン」の指定を受けたことがきっかけですね。

—— オムニバスタウンとは、どのようなものですか?
オムニバスタウンは、交通渋滞や大気汚染などの都市問題を解決するために、バスをはじめとした公共交通機関の利用を促進するための制度で、国土交通省が制定しています。金沢市は平成11年2月に、静岡県の浜松市に続いて全国で2件目に指定されました。その後は全国の都市に広がっています。
この制度にそって、国や県をまじえた話し合いを行い、補助金を得て、さまざまな施策を実現しています。例えば、昇降口の段差が低く、スロープを設置できるノンステップバスを導入し、高齢者や車いすの利用者など、多くの方が安全にバスを利用できるように、設備を整えています。その一環として、ICカードの導入も決めました。
—— 導入の際にはどのような準備をされましたか?
オムニバスタウンの指定後、平成14年頃にICカードの導入を決定し、平成15から16年の間に準備を進めました。実はそれまで磁気カードなどを導入していなかったので、逆に一挙に導入しやすかったという面もあります。決定前にはICカードの導入で先行していた山梨交通さんや福島交通さんの状況を見学させていただいたりしました。
—— これまでのカード発行枚数はどれくらいですか? また、主に利用されている層は?
平成19年10月末の時点で、12万8千枚です。金沢市の人口は45万人、バスを利用される方のいる周辺エリアまで含めると65万人くらいですから、約5人に1枚程度の発行量でしょうか。収入ベースで見ると、バス利用者の6割くらいの方が、ICaで支払いされています。もともとバスの利用者の約7割が女性なので、カードの利用者層もこれに準じていると思います。
バスを利用してもらって、市の中心部を活性化したい。
—— ICa利用者の方にはどのようなメリットがありますか?
まず、ICaをチャージする際には、1割分お得になります。例えば、1000円チャージすると1100円分のサービスが利用可能になります。また、複数路線のバスを利用される際、30分以内に乗り継ぎしていただければ、40円が割り引きとなります。

—— 買い物の際の特典もありますか?
ICaを使っての買い物はできませんが、加盟店で買い物をすると、「エコポイント」が加算されます。2000円以上の買い物で20ポイント券がもらえます。そして、ポイント端末が設置されている場所にポイント券を提出していただくと、ICaにポイントが加算されます。
たまったポイントは100ポイント=100円単位でバス運賃として利用できます。加盟店は市の中心部に集中していますが、ここまでバスで来ていただいて、買い物していただき、中心部を活性化したいという意図もあるんです。
—— ICカードの導入により、運用者側ではどのようなメリットがありますか?
カード化によって 乗降のデータを取りやすいということがありますね。データを分析することで、これからのサービスに結びつけたいです。また、これまで回数券など紙の乗車券に頼っていたので、その費用や管理が軽減されるメリットもあります。
—— ICカードの導入で、バスの利用者は増えましたか?
全体的な話をすると、これは、どこの地方都市でも言えることなのですが、マイカーの利用が増えて、バスの利用は減っているのが現状です。また、地方都市の状況として、郊外に大型ショッピングモールができたり、大学などが移転しているため、どうしても市の中心部へ人を呼び込むことが難しい状況もあります。
その中でICカードがどれくらい貢献できているかはっきりは言えませんが、より便利なサービスを提供できるようになったことは事実です。
—— 導入にあたって、苦労されたことはありますか?
最近では少なくなりましたが、以前は乗降の際にエラーカードになるというトラブルが多くありましたね。その都度、運転手が対応に追われていました。エラーの原因として、例えば乗車時にカードをタッチし忘れることがあります。駅ならば、タッチしなければ改札に入れませんし、出るときにもタッチしなければ出られません。ところが、バスの場合には中で全部やらなければいけないので、どうしても最初のうちはトラブルになっていました。最近では、われわれも、お客様も利用に慣れたこともあって、トラブルは減っています。
—— ICカードの利用は、他にも展開されていますか?
別会社さんの運営ですが、カーシェアリングのサービスで利用されています。これも、環境対策のため、車の総台数を減らそうという取り組みで、市内に何カ所かカーシェアの駐車場が用意されています。シェアしている車のロックを解除するための仕組みとしてICaが利用されています。

その他では、小松空港から金沢駅へ直通の特急バスでもICaを利用できます。出張などで金沢を訪れる機会の多いビジネスマンの方は、ICaを持たれれば、便利ですし、お得にご活用いただけると思います。
「ICa(アイカ)」体験レポートもあわせてご覧ください。