こんにちは、プラグイン担当のPです。この「番外編1」では、前回予告した他国語リソースプラグインの作り方について説明します。

 最初に書いてしまいますが、「他国語リソースプラグインを作る」ということはつまり「プラグインを作る」作業ですので、Javaプログラムの修正やコンパイルといった手順が出てきます。プログラムの修正個所やリソースの記述方法はパターン化されているので比較的簡単ですが、そうはいってもJavaプログラムをコンパイルしたことがない人にはちょっと難しいかもしれません。

 本当は「簡単に他国語リソースプラグインが作成できるプラグイン」なるものを用意したかったのですが、今回は技術的にも時間的にも間に合いませんでした。ごめんなさい。

※実際にプラグインを作るためにはJDK1.2.2が必要ですので、入手しておいてください。






 まず、メッセージを翻訳します。

 一太郎Arkでは、メニューバーやダイアログに出てくるメッセージがリソースファイルとして分離されています。リソースファイルは単なるテキストファイルです。最終的にはちょっと特殊なUnicode形式にしなければなりませんが、エディタで編集するときはShiftJIS、Big5、GBKなど、どんな形式でもかまいません。

 リソースの「タネファイル」は、こちらです。

・英語版タネファイル AddRes.properties
・日本語版タネファイル(ShiftJIS) AddRes_ja_JP.properties.sjis

 このタネファイルをダウンロードして、お使いのエディタで読み込んでください。

 最初に先頭の「resource_locale_id=…」を変更します。ここには、これから記述する言語(ロケール)のロケールIDを記入してください。ドイツ語なら「de-DE」、中国語なら「zh-CN」です。

 このロケールIDは、一太郎Arkの「言語の追加」ダイアログで見ることができます。メニューバーからツール−言語・フォントの設定(L)を選択し、左側の方にある追加ボタンを押すと出てきます。もし一覧表にない言語のリソースを書きたい場合(ネパール語やモンゴル語など)は、申しわけありませんがエスペラント語の扱いにして「eo」と記入してください。

 あとはすべてのメッセージを翻訳していきます。わからない項目は、とりあえず英語訳を記入しておけばよいでしょう。

 メッセージだけでなく、スプラッシュウインドウやツールバーアイコンをその言語(リソース)向けに変更したい場合は、プラグインサンプル1とプラグイン作成講座1・2を参考にして、定義文を追加してください。

 翻訳が終わったら保存してエディタを終了します。


 次にこのファイルを、先程述べた「ちょっと特殊なUnicode形式」に変換します。これにはJDK1.2.2付属の「native2ascii」というツールを使います。

 例えば、中国語(zh-CN)のリソースをGBK形式で書き、「AddRes.GBK」というファイル名で保存してあったとしましょう。これを変換するには、コマンドラインで次のように実行します。

native2ascii -encoding GBK AddRes.GBK AddRes_zh_CN.properties

 最終的なファイル名は「AddRes_zh_CN.properties」です。「_zh_CN」の部分はロケールIDを記述しますが、ファイル名中での区切り文字は「_」ですので注意が必要です。(リソースファイル中では「-」)

 ShiftJIS、GBKといったエンコーディングの一覧は「native2ascii」のドキュメントをご覧ください。







 リソースができたら、次はプログラムです。こちらもタネファイルを用意しました。

・リソース追加プラグインプログラム AddRes.java
・プラグイン情報ファイル Resource.properties
・マニフェストファイル manifest.mf


 まず、AddRes.javaをエディタなどで読み込んで、1カ所変更します。

20 private static final String ID = "addres";

 20行目にプラグインIDの定義がありますので、「addres」の部分を変更してください。重ならない名前なら何でもいいのですが、推奨方式として「addres_<ロケールID>_<作者>」をおすすめします。たとえば「macky」さんが書いた「中国語/中国(zh-CN)」のリソースなら

20 private static final String ID = "addres_zh-CN_macky";

という具合です。

 変更がすんだらコンパイルします。

javac -classpath "c:\Program Files\justsystem\ark\Ark10.jar" AddRes.java


 次に、Resource.propertiesを変更します。

01 addres.name    =Foreign Resource
02 addres.class   =UI Resource
03 addres.version  =0.1(template)
04 addres.vendor   =Justsystem Corp.
05 addres.description=UI Messages in foreign language

 左辺の「addres」をすべて、自分の決めたプラグインIDに変更します。

 右辺については、1行目はプラグインの名前、3行目はバージョン、4行目は作者、5行目は説明を書きます。すべて英語(アルファベット)で書いてください。もし日本語の情報ファイルを用意したいときには、プラグイン作成講座1を参考に、Resource_ja.propertiesを作成してください。

 manifest.mfは変更の必要がありません。そのまま使えます。


 さて、以上で素材がそろいました。これらをプラグインモジュール(Jarファイル)にしましょう。

 ・AddRes.class
 ・AddRes_zh_CN.properties
 ・Resource.properties
 ・manifest.mf

 上記の4つのファイルを同じディレクトリに置き、以下のコマンドを実行します。

jar cvfm AddRes_zh_CN_macky.jar manifest.mf *.*

 これで「AddRes_zh_CN_macky.jar」というモジュールができました。


 早速テストしてみましょう。

  モジュールを一太郎Arkのプラグインディレクトリにコピーし、一太郎Arkを起動します。メニューバーの「ツール−プラグインの設定」から「プラグインの設定ダイアログ」を開き、自分の作ったプラグインが一覧表に出ていることを確認します。

 もし一覧表にないときは、プラグインIDが別のプラグインと重なっていないかどうか確認してください。

 ではいよいよメニューを切り替えてみましょう。

 メニューバーの「ツール−言語・フォントの設定」から「言語・フォントの設定ダイアログ」を開きます。左側にある利用可能な言語(ロケール)の一覧に、今作ったプラグインの言語(ロケール)があることを確認します。

 もしないようなら、追加ボタンを押して一覧表から選び、右側のフォント設定を行ってください。プラグインを「エスペラント語(eo)」として作った場合は、エスペラント語を追加し、今作ったプラグインの言語が正しく表示できるフォントを設定してください。

 言語・フォントの設定ができたら、メニューバーから「表示−画面設定」を選び、画面表示設定ダイアログを開きます。「ユーザーインターフェイス」タブを選択して「UIの言語」のドロップダウンリストを開いてください。今作ったプラグインの言語を選択して、OKボタンで閉じます。

 これでメニューバーの言語が切り替わりました。


 もしドロップダウンリストに出てこない場合には、言語・フォントダイアログで言語が正しくインストールされているかどうか、またプラグインリソースファイルの翻訳で「resource_locale_id=」の行が正しく記述されているかどうか確認してください。

 メニューバーの言語が切り替わったようだが文字化けしている、というときには、言語・フォントダイアログで言語に対するフォントが正しく設定されているかどうか確認してください。また、日本語Windows95/98/NT4.0/2000などでは、Java2の仕様(制限)により、中国語や韓国語が文字化けしてしまいます。英語Windows環境では問題なく動作します。



 中国語プラグイン

 今回の手順に則って作成した、中国語/中国(zh_CN)のプラグインです。Jarファイルの中にはソースファイルも入っています。展開してご利用ください。

 ・中国語/中国(zh_CN)プラグインサンプル(AddRes_zh_CN_sample.jar)は「プラグインダウンロード」でダウンロードできます。

※リソース翻訳の時期が製品版出荷よりかなり前であったため、メッセージのキーが違ってるところもあります。
※日本語Windows95/98では、Java2の仕様(制限)により、文字化けする場合があります。中国語/中国(zh-CN)のフォント設定として日本語フォントを割り当てれば、日本語にある漢字だけは正しく表示されます。



韓国語プラグイン

 今回の手順に則って作成した、韓国語(ko)のプラグインです。Jarファイルの中にはソースファイルも入っています。展開してご利用ください。

 ・韓国語(ko)プラグインサンプル(AddRes_ko_sample.jar)は「ダウンロードセンター」でダウンロードできます。

※リソース翻訳の時期が製品版出荷よりかなり前であったため、メッセージのキーが違ってるところもあります。
※日本語WindowsNT4.0では、Java2の仕様(制限)により、文字化けする場合があります。